2015工学部研究紹介|信州大学
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情報⼯学科情報⼯学科サービスを提供するために、サーバの設置、電源・ネットワーク配線、インストールなど、システム構築を一から行う教育用ネットワークサービスの開発。学生が自分の目線で、自分にとって使いやすいシステムを開発している新村研究室研究から広がる未来卒業後の未来像蛇口をひねると水が出たり、スイッチを入れると灯りがついたりするのは、あたりまえのようですが、社会生活を行う上では必要不可欠なものです。このようなサービスは社会基盤(インフラ)と呼ばれています。いまや、インターネットにつないでいろいろなサービスをうけることも、社会生活を行う上で必用不可欠なものになりつつあります。新村研究室では、主に教育分野において、数千人を対象をするネットワークサービスを実際に提供することで、IT社会で必須となるインフラシステムの構築と運用に関する研究を進めています。あるアニメがテレビ放映されると、あるタイミングで視聴者が一斉にネットワークにある言葉を書き込むため、ネットワークサービスが一時的に使えなくなることがあります。でも、しばらくすると使えるようになりますね。同研究室の研究も、普段から便利に使えていて、めったに起きない非常な高負荷時にもなんとか持ちこたえ、なにごともなかったように回復する、そんなシステムの構築を行っています。この「なにごともなかったように」ネットワークサービスの提供を継続することが、研究の目標です。みなさんが普段、インターネットで検索したり、動画を見たりしているサービスは、私たちのシステムと同じ仕組みで提供されています。実際に、そのようなサービスを提供する会社や、そのサービスの構築を行っている会社で活躍している卒業生も沢山います。新村正明准教授長野県企業局、長野県情報技術試験場を経て、2002年より現職。専門分野はネットワーク。2007年より2011年まで、信州大学e-Learningセンターに兼務し、信州大学全学教育基盤システム[eALPS]の開発に従事。IT社会のネットワークサービスを⽀えるインフラシステムの構築國宗研究室研究から広がる未来卒業後の未来像Webページとして作成された電子教科書に、直接書き込みを行い、他の学習者と議論を行うことを実現した“WritableWeb”システム専門科目であるプログラミングを学習する前に、プログラミング言語を使わずアルゴリズム的思考を学ぶための支援システムみなさんはなぜ学校で勉強していますか?そして、どのように勉強していますか?これらの質問に対する明確な答えはありますか?大学では高校までとは少し違い、専門的な知識を習得するだけでなく、「どのように学ぶか」そして「身につけた学び方を他の学びにどう生かす(転用する)か」ということも考える必要があります。國宗研究室では、大学における学習と教育を支援するためのシステム開発を主な研究テーマにしています。これらのシステムは、専門知識の習得・学び方の学び・学び方の転用を様々な形で支援しています。学習や教育は「効率」だけで語ることができない分野ですが、國宗研究室で開発しているシステムは、学習や教育の一部をコンピューターやネットワークの強力なパワーで肩代わりしています。今後、技術の進歩とともに肩代わりできる部分は増えていきますが、学ぶのも教えるのも人間です。「学ぶ」「教える」の本質的な部分は人間が担いつつ、他の部分はコンピュータが肩代わりして、より質の高い「学び」や「教え」が実現できるようになります。國宗研究室の卒業生は、大手SIer(システムインテグレーター)やメーカーをはじめとした多様な企業で活躍しています。研究内容に直接関係する職業だけではなく、研究を通じて習得した考え方や問題の解決力を、様々な場面で発揮できる人材を育成する研究室です。國宗永佳助教1996年石川工業高等専門学校電子情報工学科卒業、1998年信州大学工学部卒業、2003年同大学大学院工学系研究科博士後期課程修了。博士(工学)。信州大学特別研究員、同助手を経て、2007年より現職。専門は教育工学。よりよい「学び」と「教え」を⽀援するシステムを創る54

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