2015工学部研究紹介|信州大学
55/76

情報⼯学科戻る時間が設定でき、インターネット経由でも確認できるタッチパネルを利用した「在室表示機器」運転免許学科試験用の練習器「免トレ君」問題には動画が付いているので理解が深まる写真サイズ高さ4.35cm×幅3.6cm配置位置横15.3cm、縦2.85cmアサノ研究室研究から広がる未来卒業後の未来像アサノ研究室では、幅広い範囲で情報機器の研究開発を行っています。『役に立つ』『使いやすい』を基本方針にし、人間の仕事や生活が『楽になる』『楽しくなる』機器を目指しています。例えば、右図上の『免トレ君』は、運転免許の学科試験問題をわかりやすくするために動画を付けたものです。正解・不正解の判定も動画を使い、試験勉強をゲーム感覚でできるようにしています。また、右図下の『在室表示器』はインターネット経由でも確認できるので、部屋まで行かなくても在室しているかどうがわかります。これにより、行き違いが避けられます。アサノ研究室では、情報通信システムに関する研究も行っていて、複数の情報機器が『会話』すれば、より高度な動作ができます。将来の情報機器は、単独ではなく、『仲間』と一緒に働いてくれるようになるでしょう。その具体的な方法や、それを実現するための技術を探るために、学生が日々研究や開発をしています。卒業生は、ソフトウェア業、電気メーカー、自動車メーカー等、様々な分野の企業に就職しています。先生は、研究のみならず、社会人として必要な知識や常識も学生に学ばせているそうです。ASANODAVIDKEN教授旧郵政省の通信総合研究所で客員研究員を経て、1996年より現職。研究分野は情報通信システムと情報機器。役に⽴つ情報機器。あなたも使いたくなる?図2集積回路設計の様子。アプリケーションに応じて、仕様を決め、回路図を作成し、それに対応した数十nm精度の配線レイアウトをCADソフト上で描き、半導体チップを設計、試作する。図1測定ボードと集積回路チップ。設計した集積回路試作チップに対して、仕様通り動くかどうかの検証を、測定により確認する情報⼯学科上⼝研究室研究から広がる未来卒業後の未来像エレクトロニクス、情報技術の進歩は、インターネット、携帯電話など、新しい産業・サービスを創出しております。特に、集積回路の微細化は様々な機能を低コストで実現し、コモディティ化により、医療、農業といった様々な分野に応用されるようになってきました。しかしながら、今、日本のエレクトロニクス業界はコスト競争の点で大変苦しい状況にあります。このような状況を打開し、商品を差別化するためには、集積回路を自らカスタマイズ(設計)し、使いこなす必要があります。研究室では、集積回路設計技術を用いて、新しい計算機アーキテクチャを開発し、ソフトウェア、アプリケーションと協調した新たなシステム・サービスの構築を目指します。世の中の様々な情報を取得し、処理する、Trillionsensorの時代がもうすぐそこに迫ってきています。これにより、半導体集積回路技術は、医療、薬品、農業、畜産、食品、物流、建築、土木といった多種多様な分野に応用されていくはずです。技術がコモディティ化する中で、製品の差別化を図り、「尖った」競争力あるモノを実現するためには、集積回路設計技術が不可欠です。研究室では、ディジタル、アナログ回路設計のみならず、センサ、デバイスといった要素技術から、アーキテクチャ、ソフトウェアまでを研究領域とします。技術の出口まで意識して研究を行うことにより、ICT(情報通信技術)の発展に貢献します。卒業研究では、学生が自らが回路、アーキテクチャの提案をし、創意工夫しながら、自主的に実験・測定を行うことを期待します。また、そのために、デバイスに関係する物理的な背景から、測定技術やソフトウェアの内容まで、非常に幅広い分野を学ぶとことができます。また、自らが課題をやり遂げた、という成功体験は、どの分野に進んだとしても、将来、必ず役に立つはずです。上口光准教授2002年広島大学卒業、2004年広島大学大学院博士課程後期終了、博士(工学)取得。広島大学、東京大学、中央大学を経て、2014年より現職。研究分野は、半導体集積回路設計、計算機アーキテクチャ。集積回路設計技術が切り開く未来:新たなサービス、産業の創出を⽬指して53

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です