2015工学部研究紹介|信州大学
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情報⼯学科⻫藤研究室研究から広がる未来卒業後の未来像農業環境情報センシングネットワーク・アグリサーバ-;農生産情報をネットワーク経由でモニタリングし公開(農ライブ)している生活・自然環境情報センシングシステム・LIFSライダー;空中スギ花粉、粉塵、諏訪湖水質、植物生育の遠隔センシングに使用中安全で安心な生活が保障されるには、どのような情報が必要でしょうか?私達は、身近な生活に係る自然環境を注意深く見つめ、その情報をきちんと知らせる技術-センシング技術-の開発を行っています。空気・水・植物等、私達の生活周辺環境が今どうなっているのかを、正しく理解することが、安全・安心を確保する第一歩です。それを実現するキーワードが“光”“画像”“IT”です。レーザーや特殊カメラといった、最新の光・画像機器を駆使した、オリジナルなセンシングシステムを開発しています。環境や農業といった、信州を基盤とした産業への応用展開も目指します。地球と人間は“光”の恵みを上手に使いながら、現在の豊かな自然・生活環境を作りあげてきました。将来の、青空と緑に囲まれた空間に光があふれている健全な生活環境を想像して下さい。工学技術としての“光”だけではなく、理学・農学・生物学・人間・生活・環境・地球・宇宙の境界をつなぐ技術として、“光”が活躍する場面は無数にあります。目指すべきは、“光”の新たな可能性への挑戦!「発想を実験という体験(やってみることが重要)を通して実現すること、その事実をきちんと理解できる能力を身につけること、をモットーに指導している。どのような職業についても“へこたれない力”を授けますよ。」だそうです。斉藤保典教授1980年信州大学工学部助手。2004年より現職。学生時代にレーザ-光の美しさに魅了され、それが仕事になってしまった・・・以来、一貫して光センシング技術の開発に従事。自然と人間と光の関係を見続けている。安全・安⼼をサポートする⽣活環境情報の光・画像・ITセンシング技術光(電磁波)を利⽤した⾃然情報の計測装置の開発情報⼯学科冨⽥研究室研究から広がる未来卒業後の未来像私たちは光に満ちた世界に生きています。光によって身の回りのモノが見えますね。光のおかげで形や色といった身の回りの情報を得ることができているのです。光とは電磁波の一種で目に見えるものを差します。電磁波には紫外線や赤外線、X線など多くの種類があります。電磁波は波長の違いで様々な名前や性質をもちます。もし私たちが今見ている光以外の波長をもつ電磁波も見ることができたならば、周りの世界は大きく変わります。私たちの目では光以外の電磁波を見ることができませんが、それらを見ることができる特殊な装置(検出器)を利用することで、人が見ることでは得られない情報を知ることができるのです。冨田研究室では、目に見えない電磁波である紫外線のレーザーを利用して、大気中に浮遊する微細な粒子を測定する装置を開発しています。この技術は工学分野での活躍も多いにありますが、物理学、地学、農学といった様々な分野での応用が期待されます。目には見えない電磁波(光)の可能性を追求することで、今まで見られなかった新しい世界が見えてきます!卒業研究において学生は与えられたテーマに対し、自ら手法の立案、計画、実験を行います。その過程では装置の開発からデータ収集、解析までを行っています。その結果を隔週の報告会で発表します。これにより、研究テーマの分野における知識のみならず、プロジェクトの中心として推進する総合的な能力を身に付けることができ、社会で活躍できる応用力を高めることができます。冨田孝幸助教2006年山梨大学卒業、2008年山梨大学大学院修士課程了、2012年山梨大学大学院博士課程修了。理化学研究所特別研究員を経て2014年信州大学助教に着任。超高エネルギー宇宙線の実験やレーザーによる遠隔検知の研究を中心に行っている。紫外線レーザーを用いた遠隔観測装置のイメージ:大気中の浮遊物質に紫外線を照射することで発する蛍光を観測します。紫外線レーザーを用いた遠隔観測装置と観測の様子:大気中の花粉、粉塵の遠隔観測を粉っています。51

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