2015工学部研究紹介|信州大学
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土本俊和教授研究のフィールド卒業後の未来像建築学科善光寺と周辺街区について調査・研究を行うフィールド。現在、重要伝統的建造物群保存地区への登録を目指している山国である日本における山岳文化のひとつ。山岳にたてられた山小屋について調査・研究を行う⼟本研究室長野県は、南北に広い県であり、また、山地であるために、それぞれの地域で固有の生活文化や人々のいとなみが見受けられます。そのため、土本研究室における、建物調査や研究をおこなうためのフィールドは多岐に渡ります。それぞれのフィールドで、その地域の歴史や文化をふまえ、実際に現地に住んでいる方々のお話もお聞きして、建物を調査、研究しています。土本研究室では、主に長野県における伝統的建造物の建物調査や、建物調査をもとにして、建造物の保存・再生に取り組んでいます。建物は人間が文化的な生活を送る上で重要な要素です。同研究室では、調査の際に、建物単体のみをとらえて調査をおこなうのではなく、その建物がたつ地域の歴史や、人々の生活文化についても学ぶことで、地域の人々の考えにより身近にふれることができます。これら調査の結果は、定期的に開かれるワークショップなどで、地域社会に対して発信しています。また、文化的なたてものを後世にまで残していくことは、重要なことであり、土本研究室では、建物調査をふまえた上で、文化的な建物に対して保存や再生に関係した取り組みを行っています。保存の取り組みとしては、登録文化財や重要伝統的建造物群保存地区への登録があり、再生の取り組みとしては、利活用案や設計案の提案などがあります。土本研究室では、調査や研究をとおして、直接建築やそこに住む人の生活にふれ、建物の保存や再生方法について学ぶ機会が多いです。そのため、こうした研究室の活動をとおして得られた貴重な経験や知識を活かし、卒業後は、建物の設計や施工管理、文化財の保存や再生などの建築に関わる仕事に就く人が多くいます。地域の歴史と⽂化をふまえた建物調査、伝統的建物の保存と再⽣鋼材強度の影響を把握するためのコンクリート床が取り付き、積載荷重が作用する大スパン大梁の実験・数値解析であるサイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦2.5cmメガトラス大梁の限界性能を評価するために、実大モデル試験体を用いて実験しているサイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦7.8cm⾦⼦研究室研究から広がる未来卒業後の未来像建築学科金子研究室では、安心・安全な鋼構造建物を設計するために、建物を構成する要素である鉄骨部材・骨組の耐震性能を評価する研究に取り組んでいます。大きな地震に対しても建物の構成要素が弾性範囲にとどまり健全で安心な鋼構造建物を構築するために、強度の高い鋼材の適用を図る。その構成要素の耐震性能を評価する方法について研究しています。また、大地震で弾性の限界を大きく超えて変形する一般的な鋼構造建物に対して倒壊を防止するために、構成要素の限界性能について適切に評価する方法を研究し、安全な鋼構造建物の構築を目指します。阪神大震災は多くの建物の倒壊・損傷をもたらしました。その後建物の揺れを軽減する制振装置を組み込む建物が多くなりました。金子研究室で行っている研究を通じて、大規模な地震に対しても軽微な損傷や無損傷の鋼構造建物を再使用できる構造設計法の道を広げていきます。また、強度の異なる鋼材の合理的使用は、鋼構造建物の多様な形式の実現につながります。鋼構造建物の生産という面においても生産効率及びコストパフォーマンスの向上が望めます。ゼネコンでの構造設計・施工管理など、構造設計事務所の他、鉄鋼・建材メーカー、鉄骨ファブリケーターなどの主に鋼構造に関わる企業、また研究機関にも道が開けています。金子洋文教授1982年東京工業大学大学院博士課程社会開発工学専攻修了。竹中技術研究所を経て2014年から現職。鋼構造の部材・骨組の地震に対する安全性の評価や、鋼材の制振部材の合理化などの研究を行っている。耐震性能を適切に評価して、建物の安⼼・安全を探求する36

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