2015工学部研究紹介|信州大学
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⾼瀬研究室研究から広がる未来卒業後の未来像⼟⽊⼯学科高瀬研究室では、土木計画、そのなかでも主に交通に関する分野について研究を行っています。計画を策定したり施設の整備を効率的かつ効果的に行うためには、利用者の需要を予測したり、定量的・定性的な評価をしたりする方法について、より精度の高い手法を構築する必要があります。そのため現在研究室では個人の交通選択行動を社会学・心理学的視点からだけでなく、自然科学的な要素も考慮して分析するモデルの構築に取り組んでいます。この様に人の行動を明らかにすることによって、交通を基軸としたまちづくりを進めて行くことに取り組んでいます。高瀬研究室では、現在長野県内において顕在化している、さまざまな交通に関する問題に対して取り組んでいます。また自治体等と連携し調査や分析を行ったり、公共交通の利用促進策を計画したりしています。このような取り組みを通じて同研究室では将来的には人の移動を考えた交通体系を考えたまちづくり、「交通まちづくり」を進めていきます。高瀬達夫准教授1996年より信州大学工学部に勤務。主な研究分野は土木計画、交通計画。⼈の⾏動を分析し、交通を基軸としたまちづくりを進める将来の基軸となる種々の交通システム世界の都市の交通まちづくり「交通まちづくり」を進めて行くためには、単に人の行動の把握や交通システムに関する知識を有するだけでなく、地域の人々とのコミュニケーションが欠かせません。将来はこれらを身に付けた行政職員やコンサルタントとして、よりよい地域づくりを行う人になることが考えられます。2007年8月1日、アメリカミネソタ州でI-35W橋梁が崩落し、死者13名、負傷者145名の大惨事になった。この橋の橋齢は40歳未満だったサイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦2.5cm日本では、戦後高度経済成長期に多くの橋梁が建設された。橋梁の老朽化が急速に進んでいるサイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦7.8cm30% 13% 10% 9%9% 3% 1%4% 6% 1% 12%2% 56%44% ,,1955~19591960年代1970~19721920年以前1920年代1930年代1940年代1950~19541972~19791980年代1990年代2000年代不明曹研究室研究から広がる未来卒業後の未来像⼟⽊⼯学科日本は人口の高齢化だけでなく、橋梁の高齢化も急速に進んでいます。長野県では、2022年に約54%の橋梁が50歳以上の高齢化橋梁になります。図示の橋梁崩落事故を日本で発生させないようにするためには、橋梁の維持管理技術がとても重要です。曹研究室では、橋梁劣化のメカニズム(アルカリ骨材反応、鋼材腐食、中性化、塩害、凍害、化学腐食、疲労等のメカニズム)、橋梁劣化診断の技術、日米欧における橋梁マネジメント技術、橋梁の長寿命化等に関する研究を行っています。現役橋梁の点検や劣化診断、調査をするために、橋梁の現場にも行きます。曹研究室では、基礎知識や工学の専門知識をベースに、卒業研究を通じて、問題が見つけられ、解決する能力や観察力、仲間と助け合える協力性、国際感覚を有する人間性豊かな研究者を養います。将来、土木工学分野の研究者・技術者の質を有する国家・地方の公務員になることも可能であり、土木・建設会社の現場一線で力を発揮することもできます。更に、日本だけでなく、海外でも技術者として活躍できます。土木や建設分野の国家・地方公務員になり、道路・橋梁等の維持管理に携わります。沖縄県庁(本人の故郷)に入った卒業生がいます。建設会社や原子力発電所、JR等の就職先で活躍されています。洋食屋の料理人に転身した学生もいます。曹西助教曹研究室には、現在5名の卒研生がいる。劣化したコンクリート橋梁の耐震性考察;地域住民に与えるストレスを最小にする橋梁の補修・補強計画;逆輻射及び対流影響を考慮した道路の熱伝導に関する数値解析等の研究をしている。橋梁劣化のメカニズム・要因を明らかに、橋梁の⻑寿命化を⽬指す33

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