2015工学部研究紹介|信州大学
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ヒトの心臓磁界計測風景の一例。研究室で製作可能な安価かつ超高感度なインダクション磁気センサの可能性を研究写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm⽥代研究室研究から広がる未来卒業後の未来像電気電⼦⼯学科非接触で電球が点灯。二つのコイルを用いており、コイル間の距離を変えると電球の光が強弱する写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm比接触給電を用いれば、充電コードが不要になる。医療現場や災害現場などに用いるロボットの充電のワイヤレス化に役立つ⽔野研究室研究から広がる未来卒業後の未来像電気電⼦⼯学科一辺2mの3軸一様磁界発生コイル。生活空間の低周波磁界の模擬だけでなく、地磁気の低減による宇宙磁界空間の模擬等に使用田代研究室では、磁気に関するエネルギー・センサ・シールド技術の研究が行われています。磁気は目に見えないですが、ヒトも生体活動に伴い極めて微弱な生体磁気を発生しています。テーマの一つとしてヒトの心臓から自然に発生する心磁界計測を目指した安価な磁気シールド・磁気センサの研究です。この研究において計測したくないノイズ、電気機器や電力線の周囲に存在する低周波磁界があります。逆転の発想から、この磁界をエネルギーに変える環境磁界発電という技術も世界に先駆けて提案されています。田代研究室では、主に低周波磁界に関する研究成果で社会貢献を目指しています。例えば環境磁界発電では、電池を用いずにワイヤレスセンサネットワークの構成が行えます。私たちの生活空間に存在する低周波磁界は、昼夜・天候を問わず回収が可能です。こうしたエネルギーを電気エネルギーとして再利用することで、省エネ・防災のためのシステムや非接触給電等への応用が期待できます。家電メーカーや自動車関連メーカーだけでなく、計測機器、医療機器、ゼネコン等へも卒業生を送り出しています。磁気応用技術は様々な分野で利用されているため、就職の自由度も高いそうです。田代晋久准教授九州大学大学院総合理工学研究院助手、信州大学工学部助教を経て2012年より現職。研究分野は磁気応用工学で、主に微弱磁界計測技術とその応用に関する研究。「離れた場所にある機器に電力を送りたい」。これを可能にする技術が非接触給電です。この技術は電気エネルギーを磁気エネルギーに変換することで、導線を接続しなくても電力を供給することができます。この技術が確立すれば携帯電話などをコードに接続せずに充電できるようになるばかりか、家の壁中にその装置を置くことで、すべての家電をコンセントに接続せずに動かすことも可能になります。しかし、エネルギー効率が悪いという課題があり、コイルの構造や用いる導線の工夫等によりそれを改善する研究を行っています。水野研究室では非接触給電に用いるコイルの形状や導線を見直すことでエネルギー効率を改善しようとしています。この技術が確立すれば、家庭から充電コードが消えたり、医療現場や災害現場などに用いるロボットの電池切れがなくなったりと非常に意味のある研究です。学生と企業人とが一致団結して、夢のコードレス社会実現に向けて日々研究に励んでいます。電力会社や電機メーカなどの幅広い分野の企業に卒業・修了生を排出。また、技術者・研究者として必要となる科学技術の修得だけではなく、将来研究リーダとして必要とされる「素養」と「躾」の教育も4年生や大学院生に指導しています。水野勉教授株式会社アマダを経て、2011年より現職。研究分野はリニアモータや電磁アクチュエータ、電磁センサ、電力変換デバイス。⽣活空間の低周波磁界をエネルギーに!微弱磁界計測技術とその応⽤⾮接触で電球が点灯、電気磁気の不思議!19

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