2015工学部研究紹介|信州大学
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⼭崎研究室左図は研究室のロボットファミリー。等身大双腕ロボット、小型ヒューマノイド、能動カメラ雲台など。このほかに車輪型ロボットもある。右図は、双腕ロボットによる洗濯物たたみ行動の実験中冷蔵庫のモデルを生成している様子。人間が扉を開け閉めする様子を観測し、冷蔵庫の形状と可動部の位置を推定する。右図では、青が冷蔵庫の前面、赤が扉部と認識されている。それぞれ三次元形状として得られており、ロボットによる認識と物体操作に利用できる研究から広がる未来卒業後の未来像機械システム⼯学科我々が普段生活している日常環境、街中などの屋外環境、災害現場などの被破壊環境といった様々な場所で、自動機械への要望が高まっています。これらの環境は自動機械のために整備されたものではありません。それ故に、自動機械には周囲の事物や事象を的確に把握するための高度な認識能力が必要になります。また、有益な物体操作作業を行ったり目的地へ移動するといった行動能力が必要になります。私たちは、そのような認識能力、行動能力を向上することを主な目的とし、認識・操作に関する要素研究、機構の研究、それらの実証・応用研究を行っています。最近ではテレビやインターネットなどでロボットを目にすることが多くなりました。一方で、それらのロボットが本当に普段の生活で活躍しているかというと、その段階になる前に越えなければならない壁が多くあります。私たちは、ロボットに搭載する「知能システム」を一つのキーテクノロジーとして、環境認識能力や行動計画能力を研究し、その成果が将来、様々なロボットたちに搭載されることを期待しています。山崎研究室での研究は、ロボットを実際に動かしながら進められます。ハードウェア設計製作、プログラミング、実世界アプリケーションの構築理論など幅広い知識と技術が習得できます。進路としては、一般向け製品開発を行うエンジニアや、大学や研究所での研究者などが考えられます。山崎公俊助教長野県出身。筑波大学大学院博士課程修了後、東京大学特任助教・特任講師を経て、2012年より現職。ロボットを賢く動かすため自律知能に関する研究に従事。生活支援ロボット等への応用研究も行う。⾃動機械に賢さを与えよう!知能ロボティクスの要素研究と実⽤展開昆虫の羽ばたき飛翔の研究。チョウを模した非常に簡単な計算モデルを作り、その自由飛翔を調べている。鈴⽊研究室コンピュータシミュレーションの結果、非常に簡単な計算モデルでも、実際のチョウやハエの質量を支えられることが分かった。研究から広がる未来機械システム⼯学科卒業後の未来像鈴木研究室では、身近にありながらまだよく分かっていない複雑な流れを、コンピュータシミュレーションによって解明する研究に取り組んでいます。近年、計算機のめざましい発達のおかげで、これまで調べることが難しかった複雑な流れを精度よく解析することができるようになってきました。特に、『格子ボルツマン法』と『埋め込み境界法』という二つの強力な計算手法を組み合わせることで、流れと物体が相互作用するような現象(身近な例では、木の葉がひらひら舞い落ちる現象や昆虫の羽ばたき飛翔)の研究を行っています。チョウやハエに代表される小型の昆虫による羽ばたき飛翔は、身近な現象でありながら未解明な部分が多くある現象です。もし、羽ばたきによって作り出される流れが解明され、どれほどの揚力が得られるかが分かるようになれば、羽ばたいて飛ぶ飛行機を作れるようになるかも知れません。当研究室では、機械力学の基礎である四力学のうち、特に熱力学と流体力学の専門的知識を身につけます。また、研究を通して、論理的に考え、説明し、文章にする能力や、プログラミングの技術を身につけます。こうして身につけた知識・能力・技術は、幅広い技術系職業に活かされます。『コンピュータシミュレーション』によって⾝近だけど複雑な流れの理解を⽬指す鈴木康祐助教京都大学大学院工学研究科博士後期課程修了。2014年信州大学工学部助教に着任(現職)。埋め込み境界-格子ボルツマン法を用いた移動境界流れの数値計算,および昆虫の羽ばたき飛翔の研究に従事。16

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