2015工学部研究紹介|信州大学
15/76

電磁波レーダ装置とレーダ画像(内部断面画像)の例。計測精度をさらに高め、構造物の内部情報を詳細に把握できる技術が目標無線センサネットワークのための端末位置計測実験の様子。センサ端末間の無線通信情報を利用し、端末の位置推定を試みている機械システム⼯学科⾃ら考える計測システム:波動を使って触らず測る知的計測技術の実現高山潤也准教授日産自動車株式会社、東京工業大学大学院理工学研究科助手・助教を経て、2012年より現職。専門は計測工学。知的計測システムの構築、およびそれに係わる高精度計測技術や非線形信号処理理論の研究に従事。卒業後の未来像研究から広がる未来⾼⼭研究室機械システム⼯学科新原理の発⾒に基づく最先端ロボット⼯学!酒井研究室未解決問題であった新しい接触運動を生成するロボットアーム(未知の環境変動のもと,制御系は仮想的な機械システムと等価)左上:ヘリコプターから飛行機へ変形していく飛行ロボット右下:腕、カメラ、車両の全てを同時に全身制御する農業ロボット研究から広がる未来卒業後の未来像火星でも原発でも遠隔操縦ロボットが活躍していますね。では質問です!遠隔操縦せずに勝手に動くロボットが活躍していないのは何故でしょう?換言すると、何が難しいから自律適応ロボットは実現していないと思いますか?研究室のロボットは上手く動かせたけど他のロボットは動かせない…のではなく、複数のロボットに共通する問題を解く汎用的な技術を開発しています。例えば、画像処理が不要な視覚制御法は、無人車両の制御にも水面形の制御にも制御プログラムを変更せず適用でき、世界中のロボットの環境適応能力を一気に高めるものと期待しています。日本でも社会人向けの制御工学セミナーが増えています。ニーズの高い制御工学を教科書だけで身に付けることは困難です。学生の間に研究室で制御技術を身に付けませんか。スタートして3年目の研究室であり、大手電機・中小機械メーカの就職予定者、博士課程の進学希望者がいます。酒井悟准教授京都大学情報学研究科PD、オランダTwente大学電気工学科客員研究員、千葉大学工学研究科助手・助教を経て、2010年より信州大学准教授。研究分野はロボットのシステムと制御。ロボットの共通問題を理論展開とロボット実験で解決する研究室です。酒井研究室で発見された新しい制御原理は1)教科書の手法の40%以下の計算時間で同じ結果を出す動力学計算法、未解決問題であったヒトとの握手が可能な油圧ショベルなどを実現する同定・制御法、2)色や形の画像処理が不要な視覚制御法、として応用され海外で引用され始めています。新しい原理=新しい眼鏡を掛ければ学生も研究者に変身です!「如何に教えずにロボットが動くか(環境変動に自律適応するか)」という共通問題を掘り下げ、皆さんの仮説を実験してみませんか?「計測を制する者は、技術を制する」という言葉もあるほど、簡潔で高性能なシステムの実現には、計測技術が不可欠と言われます。高山研究室では、電磁波を使ってコンクリート壁の健全性を診断する技術など、音や光・電波といった波動が反射や伝播してきた様子を分析することにより、非破壊・非接触にものの状態を計測する技術の研究に取り組んでいます。さらに、いつも同じ計測範囲や計測精度ではなく、計測システム自身が目的に応じてその性能を適応的に変化させられる能力を備えた「知的計測システム」へと、これらの技術を発展させることを目指しています。計測技術が高度化すると、どのような世界を実現できるのでしょうか?それは、計測技術と制御技術が融合し、完全自動化された世界ではないかと考えています。たとえば、計測技術によって周囲の環境が完全認識できるようになれば、近い将来では自動運転が可能な(本当の)自動車、その先には人間との共存・協調作業も可能な完全自律型のロボットなど、未来のものと思っていた多くの技術が現実となります。計測は、検査や診断ばかりでなく、ロボットの外界認識や運動制御など、さまざまな技術の実現に欠かせません。ですから、卒業研究を通して身に付けた知識と問題解決能力を基に、機械系のみならず幅広い研究分野で活躍できるはずです。13

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です