地域と歩む|信州大学地域戦略センター
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東信州の中核都市である上田市と信州大学は、平成17年の包括的連携協定の締結以降繊維学部を中心にいくつもの産学官・地域連携事業や、医学部を中心とした上小医療圏地域医療再生計画の取り組み、市民健康講座の実施など、多様な連携事業を進めてきた。その特徴は、①スタート時点から信州大学だけでなく、上田市内にある長野大学、上田女子短期大学、長野県工科短期大学校などとの共同で大学と地域との連携の在り方を模索してきたこと、②〝学生の街〟を目指す上田市の意向もあり、学生と市民との交流に力点をおいた若々しく創意的な取り組みが多いこと―などが挙げられるだろう。上田キャンパスの繊維学部は、上田市が蚕糸業の拠点=“蚕都”としてその名を誇った頃、日本の蚕糸業の発展を目指して上田蚕糸専門学校として産声を上げた。1910年(明治43年)のことだった。以来、繊維関連産業の盛衰の中、上田地域の人々や産業と共に歩んできた。そうした歴史を継承し、信州大学設立以降も、全学と上田市との連携の先頭を担ってきたのである。本特集では、⑴伝統産業の現代的な復活を目指す「蚕飼姫プロジェクト」、⑵オンデマンドリメイクの手法で街に元気もたらす「ハナサカ軍手ィ」プロジェクト、⑶感性工学の教育研究を活かして市民との共同で絵本作りを進める「共創デザインラボ」、そして、⑷東信地域の産学官・地域連携、インキュベーション支援などで活躍するAREC(浅間リサーチエクステンションセンター)の取り組みを紹介する。(文・毛賀澤 明宏、奥田 悠史)長野県上田市蚕都から学術・産業都市へ上田市の発展と共に刻む歴史ぐんてぃこがいひめ繊維学部講堂上田市の発展と共に刻む歴史上田市と信州大学其の七68信大NOW No.85地域と歩む。

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