繊維学部_感性工学課程
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“感性”に基づいて新たな価値を創造していくこと、それは、社会や産業のこれからの発展にとって大きな意義を果たしていくと私は考えています。グローバル化が進展し、世界レベルでの競争が激しくなっている現在、世界全体の技術レベルの向上に伴い「壊れない」、「安全だ」など、従来の意味での質の差別化が難しくなってきています。それは、モノづくり企業だけでなく、サービス業においても同様であり、この流れの中の競争では、遅かれ早かれ、コストによる消耗戦が繰り広げられるだけだと、私は危機感を感じています。そのような状況の中、ヒトの心に喜びを与える“感性価値”は、新たな差別化を生み出す鍵となるものといえます。確かに、“モノ(=ハード)”というモノサシのもと、発展を築き、進み続けてきた方の中には、“感性”という新しいモノサシは何かふわっとした曖昧なもの、とりとめのないものと感じている方もおられると思います。そのような方々にも実際の、リアルな取り組みを感じていただきたいと思い、私たち信州大学繊維学部感性工学課程と企業等の方々との事例を集め、編集・作成を行ったのが当冊子です。当冊子を手に取っていただいた皆様が“感性”という新たな価値創造に取り組み、その行動が広がっていくことで、社会が変化し、もっと幸せな未来が築かれていくこと、それこそが私たちの強い願いともいえます。“感性”を活かす取り組み、それはまさしく人間中心の時代を築いていくこと、そのような挑戦を通して、世界を新しい発展へ私たちは導いていきたいと考えています。私たちは次世代産業の発展のために、“感性”が大きな役割を果たしていくと信じている。06

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