2012環境報告書
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地域社会の貢献についての取組み4 ■ 里山の地域資源活用のためのアンケート調査 里山は、農林業を介し自然を巧みに管理することによって生まれた二次的な自然です。近年里山では過疎化・高齢化に伴い耕作放棄による荒廃が進行していますが、このことは長野県に広がる里山環境の資源が有効活用されないまま失われつつあることを意味します。また、里山は二次的な自然とはいえ日本固有の豊かな生態系が形成されており、それらもまた急速に変貌しつつあります。里山地域の活性化と里山環境の保全は表裏一体です。 本調査では、里山地域の代表として、県内3か所にしか確認されていない絶滅危惧種シナイモツゴ(小型淡水魚)の生息する長野市の里山を選びました。絶滅危惧種は豊かな生物多様性の指標となります。そして、仮想市場法という環境経済学の方法を利用したアンケート調査により、里山環境の保全に対する生産者と消費者間の潜在的な意識のギャップや共通認識について調べました。里山地域、県内市街地(長野市、松本市、および、上田市)、東京都に在住するおよそ1400名の方にご回答いただきました。その結果、希少生物が里山農作物の安全・安心の指標となり、消費者の購入意欲や産地への訪問意欲を促進すること、すなわち豊かな生物多様性が農作物の付加価値向上に寄与し、生産者の直接的な利益に結び付く可能性が示唆されました。また生産者は商品のブランド化に関心を抱いているものの高齢化が歯止めとなっており、そこには新たな産業の介入の余地があることなどが明らかになりました。 本調査は、SVBL*のプロジェクト研究「生物多様性を活かした地域資源の探索」の一環として、小西繭PD研究員らによって2011年12月より実施されました。研究成果の一部はSVBLのホームページに掲載されています。*SVBL:サテライト・ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー■ 「R18ゴミゼロ運動」に参加 繊維学部環境ISO学生委員会・教職員で、5月30日(月)17時30分から、国道18号線沿いを清掃する「R18ゴミゼロ運動」に参加しました。 この活動は2008年から継続して国道18号線周辺で一斉に行っていて、上田市内21団体約520名が参加する大きな活動となりました。 繊維学部では環境ISO学生委員会を中心に毎年、正門から国道に出る道路とその周辺の清掃をしています。今年も空き缶や可燃ごみを拾いました。棚田や林檎畑の広がる美しい里山(長野市)シナイモツゴの生息する自然豊かなため池繊維学部ゴミゼロ運動 ①繊維学部ゴミゼロ運動 ②44

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