2012環境報告書
24/52

イタリアは太陽光発電の導入量がドイツに次いで世界第2位です。従来のソーラーパネルの性能向上のための研究や新しいタイプのソーラーパネルの研究を進められています。塗布する材料の化学研究を行い、次に基盤に焼き付ける技術の研究を行います。そして、特性を解析するというサイクルで、実用性の高いソーラーパネルの研究を進めているそうです。ローマ大学で現在開発中のソーラーパネルは、軽量化で薄く、自由に曲げることが出来ました。曲げられることで様々な場所に設置する事が可能になっているそうです。あらゆる場所で太陽光の力を利用出来るようになってきています。ヴェネチアの建築は、周囲の景観に配慮したものになっています。屋根や壁の色が統一されており、美しい景観を保っていました。ヴェネチアでは、新築ではなく、再生するという考え方が息づいていました。建物の再生にしても、廃材バンクというものがあり、取り壊した建築物の廃材をストックしている場所があります。その廃材を利用して、建物を再生していきます。日本では、どうでしょうか。古くなったものは取り壊され、新築にしてしまうのが一般的です。 これからは、こういった“再生”という考え方が重要だと思います。木々を破壊して、建物を建てるのではなく、木々と共存した建築を行っていく事が大切ではないでしょうか。これからも、建築に関わり続けて共存と再生を大事にしたものを作りたいと思います。 また、イタリアでは廃材を使ったバイオマスなども盛んで、日本でもこうした取り組みが広がれば、再生可能エネルギーの考え方も一層広まるのではないかと感じました。上田 彬央さん (工学部2年)ソーラーパネルの可能性Aldo Di Carlo教授のグループが開発中の新しいソーラーパネルサン・マルコ広場の鐘楼から見たヴェネチアの街並景観と調和した建築02REPORTイタリアの太陽光発電とヴェネチアの建築美しい町並みで有名なヴェネチアも様々な問題を抱えています。まずは高潮(アクア・アルタ)が発生するということです。この高潮が発生すると、街中が水浸しになってしまうのです。そして、アクア・アルタの発生回数は年々増加しています。1924年から観測が始まっており、10年ごとの発生回数を数えてみると、1924年~1933年は50回程度でした。しかし、1994年~2003年の間におよそ250回以上のアクア・アルタが発生しており、ヴェネチアの大きな問題となっています。このアクア・アルタは、潟から外海への水の流出を防いでいる風が季節風等の影響により強く吹くことで、潟の水量が増し、そこに満潮が重なることで発生します。平野 瑞木さん (人文学部3年)ヴェネチアの抱える問題ヴェネチアでは、水上バスを利用して、ごみ収集を行っている03REPORTヴェネチアが直面している問題23信大NOW76号より

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です