2012環境報告書
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村民と力を合わせて用水路を整備農作業と暮らしが成り立ち、それが環境や景観を守ることになっています。被災した山奥の農村集落で、機械も入れられないような田畑を人の力で再生し耕す―この実体験を通じて、環境とは人を介して守られるものだということを理解してほしいと思います」 信大農援隊の代表、農学部教授の植木達人さんは、信大農援隊の活動と環境保全の取組みの関係をこのように話す。信大の環境教育は、被災地・栄村の復旧・復興支援の活動の中にも、しっかりと生かされていこうとしている。●「信大農援隊」に参加して 栄村は「隠れた被災地」と言われていました。この村の情報を発信していくために、信大農援隊の一員として頑張りたいと考えました。最初は、本当に役に立っているのか不安で、足手まといになっているのではないかと感じていました。でも村の人たちの「一生懸命に手伝いをしてくれて、ありがとう」と言っていただけ、それで逆に「頑張らなくちゃ!」と思わされました。 風評被害や先入観と言うのは本当にひどいことです。行ってみないと現状はわかりません。復興に向けて頑張っている人が沢山いることを知ろうとせずに、先入観で物事を語るのは良くないと思いました。 「休みの日にボーっとしているくらいなら、参加した方が有意義だな」という軽い気持ちで参加しましたが、実際、現地に行ってみると、村民の方が本当に優しくしてくれて驚きました。ボランティアとして役に立っていることを実感出来ました。最初は、一度だけと思っていましたが、村の方たちとの交流も楽しくて、何度も参加しました。栄村の昔の話を聞かせてくれたことが印象に残っています。作業を手伝っていると、村の人に優しくされ、笑顔になってくれた事が、本当に嬉しかったです。人の為にすることは、自分の為になると実感しました。 私の農援隊としての1回目の作業は、稲の苗を壊す作業でした。震災で、圃場が陥没し田植えが出来なくなってしまったので、震災前に作った苗を壊さなくてはならなくなったのです。農家の方が一生懸命作った苗を土手に捨てていく、その作業は本当に悲しかったです。 その後も何度か参加して感じた事は村民の団結力でした。皆さんが知り合いで、本当に仲が良さそうで、素敵でした。自然が豊かで、人との繋がりも深く、移住したいくらいです。1人で行動を起こすのは、大変です。それでも農援隊に参加して、何かしたい!という思いが実行できました。 宮城県気仙沼の出身です。「とにかく何かをしたい」と思い参加しました。仕事や家庭があり栄村現地にもなかなか行けないので、女性職員3人で“朝飯隊”を結成し、都合がつく時に、おにぎりやサンドウィッチを作って信大農援隊の人たちに持っていってもらいました。私が実際に栄村に行った時は、復興イベントと水路の工事を手伝いました。 これからも震災・支援を通じて出来た人の繋がりを大事にして、心のこもった村づくり・街づくりを行えたらいいなと思います。東北や栄村の被災地は離れてはいますが、「傍にいる」という気持ちを持ち続けたいです。現地で人に接する大切さ矢島尚子さん応用生命科学科4年苗を捨てる―被災地の苦しみ三浦史子さん森林科学科4年出会いの中で学ぶこと多い小木曽直道さん応用生命科学科3年“朝飯隊”結成し農援隊を支援野溝清美さん農学部 事務補佐員率先して窓拭き作業に汗を流す植木教授 ◎特集1◎ 震災への取組み10
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