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日高剛生さん(2006年3月修了)



株式会社SPIエンジニアリング社長:日高剛生さん
「明日の日本を支える元気なモノ作り企業300社」 経済産業大臣感謝状を手に
第28回中小企業優秀新技術・新製品賞優秀賞 受賞 PDF.
2016年4月7日(木)日刊工業新聞


大学卒業後、精密機械メーカーなどで約10年近く機械設計の仕事をして、技術者としての仕事は一通り出来るようになりました。しかし、私が身につけたものは所詮、勤めている会社内だけで通用する技術であって、裏づけのある知識とは程遠いものではないかということを感じるようになってきました。そこで、会社を中から見るのではなく、外側から、体系的に勉強したいと思うようになりました。 そのような時に、信州大学で仕事を続けながらでも通える大学院が設立されるということを新聞で知り、もう一度大学院生となって勉強しなおす決意を固めました。
私が入学した年は、20名近くの同級生がいました。同級生は私のようなメーカーの技術者もいれば、公務員もいれば、流通関係者、自営業など様々なバックグランドをもつメンバーの集まりでした。講義はシラバスにあるとおりですが、メンバーそれぞれが仕事を通じての専門分野を持っていたので、体系化された学問を先生方から教わり、それが実務ではどのように展開されているのかを、その専門分野の同級生から聞くことができ、大変有意義でした。
私は大学院の制度を利用し、就学期限一杯の4年間かけて修了しました。その間に転職をし、さらにその後、独立もしました。
大学院で勉強をしたことで「自らが納得する会社は、探すのではなく、創るしかない。」という思いに至ったことが、独立の動機です。 今は、共同経営者となっているパートナーと2人で、内視鏡などの特殊なビデオカメラのメーカーの社長を務めています。まだまだ失敗することのほうが多いのですが、その失敗から得るものもまた多く、文字通り「失敗は成功の母」を地でいっています。 創業間もない頃は、自社ブランドを立ち上げ、世の中にないものを創ろうと意気込んでいました。しかし、世の中にないものは、ニーズもまたないものだったようで、結果は散々でした。今はこうした考えを少し抑えて、開発をするようにしています。
技術者あがりの経営者は兎角ものづくりに力点を置いてしまい、販売を疎かにしがちというアドバイスもあり、新聞発表を積極的に行ったり、展示会には出来るだけ出展するようにした結果、最近ではこちらから客先に訪問しなくても、電話やメールで直接購入に結びつくことが多くなってきました。また、以前は私の会社など見向きもしなかったコンペチターから、共同開発やOEM供給の依頼が来るなど、業界の中でもやっと我々の存在が認められるようになってきました。
自らが会社を経営するようになり、全てのことを自分で決め、自分で実行するという充実した毎日を過ごしています。決断することや実行に移すことが、楽しくてやりがいのあることだという気持ちを大学院での勉強を通じで学んだのだと思います。

 


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