カイコを利用した新素材開発に関する研究
カイコからクモ糸を吐かせる研究

研究概要
断面積当たりで計算するとクモのスパイダーシルクの強度はスチール製の針金と同等の強さに匹敵することが知られています。優れたクモ糸を人工的に多量に製造できないだろうか。これが研究を進める動機でした。有用昆虫のカイコは、桑の葉を食べて、驚くほど短期間に生長し、染色性と風合い感に優れた絹糸を吐糸します。カイコが絹糸を作る巧妙な仕組みを利用して、カイコにスパイダーシルクを大量に作らせることを目指して研究を進めています。
現在、クモ糸を導入したカイコの中から、新らしい機能を持つ優れた繭糸を作るカイコ品種を選抜しながら育成しています。遺伝子組換え手法でクモ糸の遺伝子をカイコのゲノム染色体に導入することによりこうした夢のような新しいタンパク質素材が製造できることが可能となりました。