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トピックス

ERASMUS+プログラムにより、医学科教員がドレスデン工科大学を訪問しました

2017年07月14日 [報告]

TU Dresden 医学部長表敬訪問
TU Dresden 医学部長表敬訪問

信州大学医学部の紹介とリサーチセミナー
信州大学医学部の紹介とリサーチセミナー

2016年12月13-19日、信州大学医学部とドレスデン工科大学(Technische Universität Dresden (TU Dresden))医学部の学部間相互交流協定の締結および、EUのERASMUS+プログラムへの両校医学部交流プロジェクトの採択に伴い、医学科生理学教室の沢村達也教授および代謝制御学教室の田中直樹准教授が、TU Dresden医学部、大学病院、再生医療センターおよびマックスプランク細胞生物学・遺伝学研究所を訪問しましたので、報告します。
ドイツは日本と違い連邦制をとる国であり、各州が主権を持ち独自の政策を進め、互いに競い合っています。その中で、ザクセン州は、州都であるドレスデンのライフサイエンス研究にこの20年間に15億ユーロほど(1800億円)の投資を戦略的に行ってきました。
また、ドイツ政府は東西統一後、新しい研究施設は、旧東ドイツ領域に集中して設立することを方針としてきたため、ドレスデンには、ドイツ政府の研究財団による研究所として、3つのマックスプランク研究所、4つのライプニッツ研究所、12のフラウンホーファー研究所があります。また、ドイツの中核医学研究センターとして、ポール・ランゲルハンス研究所(糖尿病)、神経変性疾患研究所、トランスレーショナル癌研究所が置かれています。
一方、医学部でも年間6000万~8000万ユーロ(約72~96億円)の競争的資金を獲得しています。
このような投資・活動の功績もあり、ベルリン、ミュンヘンについでTU Dresden大学病院はドイツ第3位の評価を得るようになっています。
また、大学間での共同研究を戦略的に進めるためのTRANSCAMPUSという制度がEUで立ち上がり、その最初のプロジェクトとして、TU DresdenとロンドンKing's collegeとによる糖尿病に関する共同研究が、2016年度500万ユーロ(約6億円)で始まっています。
このような取り組みの中で、研究レベルも高い水準を確保しており、本年度の優秀ポスドク審査のファイナリスト3名は、いずれも同年、Nature誌に筆頭著者で発表した研究者であったとのことです。
一方、マックスプランク細胞生物学・遺伝学研究所は、財団からの潤沢な研究費に恵まれているのと、レーザー顕微鏡や電子顕微鏡による形態学的解析、セル・ソーターによる免疫学的解析、遺伝子改変動物の作製・維持などを一括してコア・ファシリティーが請け負うことにより、研究を効率化し、クリエイティブな部分に研究者が集中できる仕組みが作られていました。組織は、かなりフラットに作られており、研究所長以下、研究リーダーとポスドク程度の階層で、風通しのよい気風となっています。また、研究者は、1期5年、2期までの任期制となっていますが、このような恵まれた環境下で、多くの研究者がprestigious journalに研究成果を発表し、新しい研究環境に移っています。そして、それがさらに、次の優秀な研究者を呼び寄せるという好循環となっています。このような、研究者第一の環境から、マックスプランク細胞生物学・遺伝学研究所は世界で最も研究環境の良い施設に認定されています。
ドレスデンの建造物は、第二次世界大戦時の爆撃により壊滅的な被害を受けましたが、現在は、神聖ローマ帝国ザクセン選帝侯時代以来の街並みが、再建、再現され、多くの観光客を引きつけています。このような古都の雰囲気にひかれて集まってくる研究者もいるとのことです。
研究への投資により、若い研究者が集まり、それをサポートする人の雇用や消費が生まれるという、よい循環が生じており、また、州政府の出産・育児に対するサポートが手厚いこともあり、人口が減少する傾向がある旧東ドイツエリアの中で、ドレスデンは人口が増加しています。すなわち、研究投資により、地域創生がうまくいくよい例となっているのが印象的でした。

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