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診療班チーフの声

診療班チーフの声

上肢班のご紹介

信州の地で整形外科を一緒に盛り上げていきましょう!

信州大学運動機能学教室
学部内講師:林 正徳
専門分野:手外科

研修医の皆さん、そして信州で研修を考えている学生の皆さんに整形外科と私の専門である手外科についてご紹介をしたいと思います。

私は研修医の先生やポリクリの学生さんと話しをする際に、いつも「進路に迷ったら整形外科を選んでおけば間違いない」と言っています。その理由として、整形外科は運動器全般を扱う科であるため、治療の対象となる組織が骨、軟骨、靭帯、筋肉、腱、神経、血管と多く、疾患も外傷から慢性疾患に至るまで多岐にわたること、またそれに伴って専門分野も非常に多く守備範囲が広いことが挙げられます。そのため仮に迷って整形外科に進んだとしても、いろいろな専門分野の研修をしていく中で、必ず自分にあった分野を見つけることができます。実際、私自身は初期研修を経験していないため、学生時代の漠然としたイメージだけで整形外科を選択しましたが、整形外科の研修をしていく中で、自分が一番興味を持った手外科を選択し、最終的にはとても良かったと思っています。また、整形外科は診断から治療、リハビリテーションまでを単科一貫して行うことができるのも魅力の一つだと思います。的確な診断と治療がなされることで患者さんの症状は劇的によくなります。患者さんと喜びを共有することができるのは何事にも代えがたいものがあります。

進路に迷っている研修医や学生の皆さんの中には、臨床は当然やりたいが基礎研究にも興味があるという方もいると思われます。整形外科は体育会系のイメージがあり基礎研究をしている感じがあまりないかもしれませんが、実はそんなことはありません。先にも述べたように整形外科は扱う組織が多いため、研究テーマも豊富であり、さらに研究手法もバイオメカニクスから分子生物学まで多岐に渡ります。臨床医が基礎研究を行う最大のメリットは、臨床で得た経験や知識を研究にフィードバックできることです。信大整形でも地方大学の特性を生かし、信大整形でしかできないオリジナルのテーマで基礎研究を行っており、国内外に情報を発信しています。さらに、希望があれば研究をさらに発展させるための留学も推奨しています。整形外科の基礎研究はまだまだ発展途上の分野が多いので、オリジナルの発想やアイディアで研究をしてみたい、という方は是非我々の教室で力試しをしてみてください。

最後に私の専門分野である手外科についてお話ししたいと思います。手は握る・つまむなどの基本的な動作の他に感覚器としての機能や感情を表現するための機能を持っています。そのためそれらの機能が損なわれると日常生活動作はもとより、仕事やスポーツ、楽器の演奏など様々な活動に大きな影響を及ぼします。手外科は外傷や疾患により障害が生じた上肢機能を再建することを目的とします。信大の上肢外科班は加藤教授を中心として小児から高齢者に至るまでのほとんどすべての上肢疾患の診療を行っています。具体的には手指・手関節の関節症、末梢神経障害、上肢先天奇形、肘・手関節のスポーツ障害などがあり、さらにマイクロサージャリーでは外傷により損傷した神経・血管の縫合や移植、腕神経叢麻痺に対する交叉神経移行、足趾の手指への移植、神経麻痺に対する神経剥離、神経移植、さらに骨軟部腫瘍切除や外傷後に生じた組織欠損に対し皮弁を用いた再建手術などを行っています。また、それらによって得られた結果を国内外の学会で発表し、最終的に英文論文という形で世界に発信しています。手外科は整形外科の中でも特に扱う疾患が多いのが特徴であり、一つの疾患に対する手術法も実に様々なアプローチの仕方があります。初めのうちはまず基本的な手術法を身につける必要がありますが、経験を積むことでオリジナルの手術法を生み出すことが可能となることも手外科の魅力の一つだと思います。

以上、整形外科と上肢外科についていろいろと述べましたが、信大整形ではとにかくやる気のある皆さんをお待ちしています。自分は文科系だからとか手先が不器用だからという理由で選択を迷っている方もいるかもしれませんが、そんなことは全く関係ありません。信州の地で整形外科を一緒に盛り上げていきましょう。

  • 留学先のMayo Clinic Biomechanics Laboratoryにて
    米国整形外科基礎学術集会(ORS)会場にて

下肢班のご紹介

整形外科を考えている皆さんへ

信州大学整形外科
下肢班チーフ 天正恵治

私が自分の専門科を決めたのは大学6年の11月頃だったように思います。皆と同じように色々な科の勧誘を受け迷ったうえで現在の科を選択しました。元々整形に強い興味があった訳でもなく、大きな怪我をしてお世話になった事も特になく、そして別段整形から強い勧誘を受けた訳でもない私がこの科を一生捧げる専門として選んだ理由は今考えても特に思い当たらず、何となくその時の流れで決めたような気がします。同級生からも意外だとよく言われたものです。という訳で入局した当初は余り整形外科に対する興味が持てず、気管送管をしたり、IVHを入れたり、色々な薬剤を使ったりして患者の生死の狭間で戦っている内科や外科の同期が何となくうらやましくも感じていました。何か物足りなく自分の判断は間違っていたかな?と感じた時期もありました。自分の中で変化があったのは4年目の国内留学(北海道:哲人会えにわ病院)にあったかと思います。この研修の中で圧倒的な数の下肢の症例(人工関節や関節鏡手術)を経験し整形外科の特定の分野のみについて深く学び・研修を行えたことでこの領域の奥深さや意義を感じ取ることができ、下肢領域を専門として現在に至っております。

卒業して20年経過し私は今でも下肢関節の障害を持った患者さんに対する様々な治療を行っています。当時よりも整形外科に対する知識も興味も増し、身も心も整形外科医といった感じです。本当に整形外科が自分に適していたのか、選択が正しかったのかどうかは医者を辞める間際にならないと分からないでしょう。しかし、現時点で思う事はどの科を選ぶかという事よりも、選んだ後に自分の選択した科(分野)に対して興味を持ち、情熱を注いで頑張り努力するという事の方がはるかに重要だという事です。当たり前の事なのかもしれませんが、これは周りの医師を見てもそう感じます。そういった点で私は整形外科という専門科を通して患者さんと関わり治療を行い、また自分の技術を磨くために切磋琢磨できるこの素晴らしい状況には満足しており信州大学整形外科を選んでよかったなと日々感じている毎日です。ここ信州大学整形外科にはやる気のある若い先生たちが国内や海外留学がを含めた充実した研修を行うことが可能であり、そして、その中できっかけをつかみ活躍できる場がそろっていると思います。私がそうであった様に整形外科がいいかな?と少しでも感じた人はその気持ちを大切にして足を踏み込んでもらえればと思います。

また、私が感じている別の魅力としては、科としての発展性が挙げられます。私の専門である下肢領域に限ってみてもその進歩には目を見張るものがあります。股関節であれば股関節鏡の発達、人工股関節のアプローチ・インプラントの大きな変化、膝関節であれば解剖学的な人工膝インプラントの開発、生理的な下肢アライメントを考慮した手術(インプラント設置)、膝関節鏡領域であれば前十字靭帯解剖学的2重束再建術の発展、新たな靱帯(前外側靱帯)の発見その手術応用・半月板縫合適応の大幅な拡大などコンセプトやイノベーションの変化は数え上げればきりがありません。この傾向は今後も続いてゆくものと思われます。また、このような変化によって手術に用いられる機器や固定材料も改良が日々行われておりこれを習得するためのセミナーや手術研修会、カダバートレーニング(屍体を使った手術研修)などが企業主催で行われております。これは下肢領域のみならず、他の整形領域でも同様で整形外科が医療マーケットにおける大きな存在であることの一つの証かと思います。いつになっても勉強や自己鍛錬は続きますが、常に刺激的でありそれがまたこの仕事のおもしろさの一つだと思っています。

また臨床だけではなく研究面でも自分の考えたアイデアをまとめて発信(発表・論文化)することで世界中の医師と戦う(交流する)こともできます。研究は時間もかかるし思うようにいかないしつらいことが多いですが、結果がでたときの喜びは何物にも代えがたいものがあります。実際整形外科下肢班ではここ数年で整形外科のTop Journal (JBJS Am, JBJS case connet, AJSM, Arthroscopy, KSSTA, Arthroscopy Techniques)に多数の論文を発表しており、信州にいても斬新なアイデアさえあれば世界と戦えるだけの仕事ができることを証明しています。

医師という仕事をお金を稼ぐための手段ととらえた場合、こんな割に合わない仕事はないと感じています。逆にこの仕事の中に自分なりの生きがいややりがいを上手く見いだせればこんな楽しく幸せな職業はないのかと思います。その中でも整形外科は非常にすそ野が広く、色んなところにアンテナを張っていれば必ずあなたのやりたいことが見つかると思います。また、やりたいことが見つかってもそれを実践できる場があるかどうかも重要です。大きな医局に属してやりたいことは見つかったが、自分の思うような進路に進めず身の振り方を悩んでいる先生をよく目にします。ここ信州大学整形外科ではその様なことはありません。なぜなら、長野県全域の病院が関連病院であり、どこの病院でもまだまだ各分野の医師が足りない状況が続いているからです。そういった意味でも信州大学の整形外科はあなたにとって良い選択枝になるのかと思います。

私がいった事がこのHPを見てくれている学生、研修医、若手医師の方々の参考になれば幸いです。そして、その見てくれた皆さんと当科でぜひ一緒に働ける日を心からお待ちしております。


脊椎班のご紹介

信州から世界へ

准教授 髙橋 淳
専門分野:脊椎外科、側弯症、コンピュータ支援手術

整形外科か別の科で迷っている初期研修医の皆さん、学生の皆さんに、整形外科の魅力について語ろうと思います。整形外科の魅力は、まず、治療を要する患者さんが多いことです。治療範囲は頸椎から足まで大変広いです。私の専門としている脊椎外科に関しては、厚生労働省による平成25年の国民生活基礎調査によれば、男性では有訴者率の第1位が腰痛、第2位が肩こり、女性では第1位が肩こり、第2位が腰痛、というように、脊椎疾患の患者さんが非常に多いことがわかります。さらに、高齢化社会が進行し、内臓が丈夫な元気な高齢者が増えている一方、運動器の老化が進み、痛み・関節の拘縮や麻痺などにより、思うように動けなくなる人が多く、そういった高齢者のQOLを高めることが我々整形外科医の仕事なのです。第2に外科系の中では早く一人前になれることです。私は、6年目には一般的な外傷や簡単な変性疾患の手術ができるようになり、7年目より脊椎外科を専門としました。10年目には脊椎脊髄外科指導医を取得し、側弯症以外の脊椎の手術はだいたいできるようになりました。10年目以降、現在の専門である側弯症の診療と研究を世界的レベルを目指して進めています。第3に、整形外科、特に脊椎外科は分かっていないことが多く、新しい知見を見つけたり、新しい手術法を開発できる余地があることです。日々の臨床で研究のテーマを考え、または、新しい手術法を開発し、多くの患者さんに還元でき、その成果を世界に向けて発信できることです。信州大学脊椎班は1996年に日本ではじめて脊椎ナビゲーションシステム(下図1)を脊椎手術に導入し、現在、500例を超えるナビゲーション手術の実績があります。また、ナビゲーション手術による手術時間延長を克服した、multi-level registration法を2010年に英文誌Spineに発表しました。また、側弯症に対する低侵襲手術であるskip pedicle screw fixation(下図2)、頸部神経根症に対する低侵襲手術mini open foraminotomyを考案し、英文論文に発表しました。第4に、整形外科と言ってますが、内科的治療もできることです。一人の患者さんを、診断から保存的治療、手術的治療、リハビリテーション、その後のfollow upまでずっと治療できます。この繰り返しで、自分の技量も上がってきます。整形外科の醍醐味をわかっていただけたでしょうか。

次に、信州大学整形外科の魅力について語ろうと思います。まず、信州大学では、上肢、下肢、脊椎、腫瘍の4つの診療グループで診療・研究・教育を行っており、どの疾患班もスタッフと症例数が豊富です。また、近隣の長野県立こども病院で小児整形外科を、相澤病院で外傷、スポーツ整形を学ぶこともできます。我々脊椎班は、5人の脊椎脊髄外科指導医を含む7人のスタッフで年間300例弱の脊椎手術を行っております。国立大学脊椎班では有数のスタッフの数と手術数と自負しております。2つ目は、自然に恵まれ、ジョギング、サイクリング、ゴルフ、温泉、スキー、スノーボードなどを楽しめ、整形外科医として大切な、体力を培うことができます。仕事をする時にはとことん仕事に熱中する、遊ぶ時にはとことん遊ぶ。On-offの切り替えが大事です。加藤教授が学生時代スキー部だったということもあり、毎年2月にスキー勉強会と称して、関連病院や他大学の整形外科の先生・看護師さんとスキーを通して交流を深めています(下図3)。3つ目は、関連病院が充実していることです。手術症例数、学会発表数、論文の数など、どの病院も引けをとらない数で、教育熱心で、大学との交流も良好です。4つ目は、海外留学も含め、加藤教授が海外・国内留学を励行していることです。我々脊椎班でも、2008年に私が側弯症を学ぶためにUSCDのPeter Newton先生(下図4)のところに留学したのを皮切りに、この9年間に、海外3施設、国内8施設へ留学しております。若い先生は、その道で一流の脊椎外科医が所属する施設に留学してもらって、得意な手術の腕を伸ばしています。国内海外の脊椎外科医と交流を大事にしており、海外や国内より側弯症の手術見学に多くの脊椎外科医が訪れています(下図5)。5つ目は毎年30篇前後の英文論文を世界に発信していることです。手術はやりっぱなしでは面白くありません。手術の妥当性を世界に問い、自分の仕事が世界に認められることに脊椎外科医としての醍醐味を感じます。6つ目は、長野県はまだまだ整形外科医が足りなく、皆さんの実力を発揮できる場所が沢山あることです。都会の病院より圧倒的に執刀手術件数は多いと思います。7つ目は信州大学の他の学部との産学共同研究が盛んです。我々脊椎グループでも信州大学繊維学部小関道彦准教授と側弯症矯正シミュレーションの共同研究を行っています。8つ目は信州大学医学部附属病院は他科との連携が良好なことです。私の専門にしている脊椎外科・側弯症に関しては、ほぼ全科の先生方と連携して、難易度の高い手術を成功に導いています。以上、信州大学整形外科の魅力について述べてきました。是非、我々とともに、信州の地域医療を支えながら、信州から世界に発信しましょう。

  • 図1
    図2
    図3
    図4
    図5

腫瘍班のご紹介

なぜ、整形外科医で腫瘍なのか?

腫瘍班 鬼頭宗久

整形外科医になって10年間の歳月が経過しましたが、幾度となくこの質問を聞いてきました。整形外科医の一般的な印象としては骨折の手術、人工関節の手術、スポーツ疾患などと思います。どちらかというと人の生き死に関わりたくない人たちが選択する科、それが“整形外科”の印象と思います。

その例外にもれず、私も整形外科に入局したときは、学生時代に陸上・サッカーに明け暮れていたこともありスポーツ整形専門の医者になるぞ!!と意気込んでおりました。

それが、なぜ腫瘍を専門にしたのか?

ひとえに、“やりがい”を見つけたからです。整形外科領域の腫瘍は、骨・軟部腫瘍と呼びますが、”rare cancer”と呼ばれており発生頻度が一般的な、がんと比較して圧倒的に少ないのが特徴です。最も有名な骨肉腫でさえ、1年間で人口100万人に対して約2人しか罹患しません。つまり長野県の人口を約200万人とすると4人しか新規の骨肉腫の患者が出てこないということです。そのため、骨・軟部腫瘍専門の整形外科医は圧倒的に人数が少なく、解明されていないこともまだまだ山のように存在しています。長野県では、骨・軟部腫瘍を専門に見ることができる整形外科医は一ケタしかいません。そのためどんな偉い先生でさえ自分たちを頼って患者さんを紹介してきます。そのことは、自分の仕事に誇りを持てるモチベーションにつながっています。

筆者留学先スペインにて

また、腫瘍を専門にして6年が経ちますが、やはり治療の努力もむなしく患者さんが亡くなってしまうことも経験します。とても辛いことであり慣れることは決してありません。しかし、自分自身が勉強・研究をすることで自らの力で患者さんの予後を改善できる可能性は十分にある分野だと思います。そのことが一番の仕事に対する“やりがい”と考えています。

皆さんは、念願の医師としてキャリアをスタートし、これからの活躍が期待される人材です。
以下は映画「ゴッドファーザー」からの言葉です。
“Great men are not born great, they grow great”
「偉大な人物は、生まれた時から偉大な訳ではない。彼らは自らの力で偉大になっていったのだ。」

信州大学整形外科の腫瘍班は、まだまだ若い医師が多いですが、勢いはあります。仕事はしっかりやりますが、アフター5も充実しています。

是非、信州大学の整形外科に入局し骨・軟部腫瘍を一緒にやりましょう!!そしてここ長野から全国・世界に自らを発信していきましょう!!


統括医長

整形外科の魅力 ―その多様性―

信州大学医学部運動機能学教室
統括医長 岡本正則
専門分野:骨軟部腫瘍

信州で研修を受けようと考えている医学生の皆さん、これから何科の医師になろうかと迷っている初期研修医の皆さんへ、整形外科の魅力を少しだけ伝えたいと思います。

整形外科では運動器の疾患を取り扱います。運動器には脊柱、骨盤、関節、手、足などの器官があり、骨、軟骨、靱帯、筋、腱、血管、皮下組織、さらに脊髄および末梢神経などの組織が含まれます。運動器障害により低下したQOLの改善、悪化の防止、予防を主たる職務とする診療科が整形外科です。首から足先まで内臓を除いたすべてのパーツを扱う科であるため、非常に守備範囲が広いのが特徴です。まだ将来的に専門としたい領域が決まっていない皆さんには、まさにうってつけの科と言えます。

整形外科での診療は新生児、小児、学童から成人、高齢者と全ての年齢層が対象となります。生後まもない新生児の検診を行ったり、中高生のスポーツ障害の予防・治療を行ったり、高齢者の骨粗鬆症で潰れた背骨を立て直したりと、その対象は幅広く、治療が必要な患者数も極めて多いのが整形外科の特徴です。まだ将来的に専門としたい領域が決まっていない皆さんには、まさにうってつけの科と言えます。

整形外科が行う治療は、骨折などの外傷に対する手術をまず思い浮かべる方も多いと思います。しかしその他に、遺伝や加齢に伴う関節や脊椎の変形矯正・置換、スポーツ障害の予防・治療・啓蒙活動、リハビリテーション、骨粗鬆症・関節リウマチ・痛風に対する内科的治療、悪性骨軟部腫瘍に対する手術・化学療法・緩和ケアなど、その内容は非常に多様です。内科的治療も外科的治療も学べる整形外科は、まだ将来的に専門としたい領域が決まっていない皆さんにとって、まさにうってつけの科と言えます。

整形外科学とは、運動器全般を研究する学問分野です。運動器の病態は多様であり、炎症、腫瘍、変性、循環障害などに加え、先天性障害や変形、外傷による骨・関節・筋などの損傷、脊髄や神経の圧迫障害、加齢に伴う骨の強度低下、軟骨の摩耗、腱の変性による断裂などがあります。これら多岐にわたる病態に関して、形態学、病理学、分子生物学、電気生理学、生体力学などのあらゆる生物学的知識を総動員して研究を行います。臨床だけでなく基礎研究にも興味のある欲張りな方にも、整形外科はまさにうってつけの科と言えます。

信州大学運動機能学教室(整形外科)では、上肢班、下肢班、脊椎班、腫瘍班に加え、リウマチ班、スポーツ整形、小児整形と、整形外科で扱うほぼ全ての領域を網羅しています。また、それぞれの班が臨床研究に加え基礎研究も行っています。さらに、診療班とは独立した基礎研究チームが、信州大学先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所バイオテクノロジー・生体医工学部門と協力して、新規インプラントの開発や骨組織再生の足場材料などの研究を行っています。国立大学の中でもこれだけ全ての領域を網羅している大学は数多くはありません。まだ将来的に専門としたい領域が決まっていない皆さんにとって、まさにうってつけの教室と言えます。

信州大学運動機能学教室(整形外科)には、全国各地の大学からの出身者がいます。過去10年間で54人の先生が新たに仲間入りしています。半数は他大学の出身であり、北は弘前大学から西は島根大学まで全国各地から信州大学に集まってきています。またスタッフも、北は北海道大学出身の加藤教授、西は山口大学出身の二木病棟医長など、やはり全国各地から集まっています。出身大学による区別なく、平等に研修を受けられることは間違いありません。地元に帰ろうか、はたまた縁もゆかりもない土地で新たな生活を始めようか、将来を迷っている方にもまさにうってつけの教室と言えます。

これだけ長々と書いても、まだまだ伝えきれない魅力が山ほどあります。もし少しでも興味を持たれたら、まずは見学に来てください。当教室の雰囲気を感じてもらい、整形外科のおもしろさを知っていただきたいと思います。一緒に信州大学運動機能学教室(整形外科)を盛り立てていきましょう。

研修・入局案内

後期研修は、上肢(肩~手指)、下肢(股~足指)、脊椎、骨軟部腫瘍の4つの専門分野別に手術数年間1000例(救急外傷180例)の治療を通じて国際的レベルで鍛えられます。

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