肥厚性瘢痕 ケロイド
怪我や手術でできた傷跡が赤く盛り上がり、ときに痒み・痛みを伴う病態のことを、その程度に応じて肥厚性瘢痕・ケロイドと呼び、本来の創の範囲を超えて大きくなるものを特にケロイドと呼称しています。肥厚性瘢痕・ケロイドはまず整容性(見た目)の問題が挙げられますが、瘢痕拘縮による運動障害、また痒みや痛みといった症状が現れることがあります。
原因は主に2つに大別され、1:患者さんが持っているなりやすさ(体質)と、2:創にかかる力や炎症などに分かれます。従って、患者さんによって必要な治療が変わってきます。
治療は主に手術・ステロイド局所注射・予防薬内服・放射線などがあります。整容性の問題・瘢痕拘縮による運動障害・痒みや痛みといった症状に応じてこれらを適宜組み合わせて治療を進めていきます。
手術では病変を切除した後、ステロイドの局所注射や圧迫療法、場合によっては放射線照射を併用します。手術後は圧迫などの後療法を患者さん自身に頑張っていただくことが、良好な結果を得るために重要です。
ケロイドは再発率が高い疾患であり治療に難渋することが少なくありません。手術治療はときに治療前よりも悪化してしまう可能性があり注意が必要です。しかし、悪性の疾患ではありませんので患者さんの希望により到達目標・治療が異なってきます。主治医と良く相談して治療をすることが大切です。