2014年11月25日 「ぎんれい」ミッション終了
可視光通信実験衛星「ぎんれい」は2014年11月24日16時45分(日本時間)に大気圏に再突入し、ミッションを終了しました。

信州初の超小型衛星ShindaiSat(愛称:ぎんれい)は今年2月28日に種子島宇宙センターより高度400km、軌道傾斜角65度の
軌道に打ち上げられ、世界初の可視光通信実験ミッションを行ってきました。衛星の電源や通信といった機能は再突入直前まで
正常に動作していました。

11月24日午前9時20分頃のパス及び午前10時50分頃のパスでは管制局において「ぎんれい」からの電波を受信し、
温度データ等を取得しました。その後、午後2時55分頃に南アフリカ上空を通過した際に最後の電波が受信されました。
Space-Trackの情報によると、午後4時45分ころに北緯41.4度、東経42.1度のトルコ北部上空で大気圏に再突入した
模様です。

「ぎんれい」の温度は軌道高度が下がり地球大気との摩擦熱により徐々に上昇し、長野局で受信した最後のデータでは47℃
(通常飛行時より10℃以上高温)、その4時間後の南アフリカ上空で受信したデータでは56℃となり、軌道投入後に経験
したことのない温度となりました。この時点でもまだ電源、通信の機能は維持されていました。その後、大気圏に再突入し
宇宙ゴミとならずに流れ星となり、約9ヶ月間にわたる運用・ミッションを終了しました。大気圏再突入が後2時間遅ければ
北海道上空を通過し、最後のLED点灯ミッションが行えました。

2011年12月の打ち上げ決定記者会見で始まった信州初の衛星開発プロジェクトは、2012年9月から11月に行われた
愛称募集で全国から約4000件以上の応募をいただき、たくさんの励ましメッセージが添えられて勇気づけられました。また、
「ぎんれい」という素晴らしい愛称をいただき、約2年間という短期間で衛星開発、打ち上げまでこぎつけることができました。
打ち上げ後も正常に動作し、56回にわたるLED点灯ミッションを実施しましたが天候に恵まれず、また10秒間程度という短時間
しか見えないこともあり、直接「ぎんれい」のLED光を確認された方は少なかったのですが、信州製人工衛星を見るというワクワク感を
味わえた、久しぶりに星空を見上げることができて良かった等のお言葉を励みに、昼夜にわたる運用を行ってきました。

ぎんれいのプロジェクトはこれで終了しますが、本プロジェクトを通じてご協力いただいた県内の多くの企業並びに常に高い関心を
もってご支援いただいた県民の皆様に心より御礼申し上げます。今後は可視光通信という新たな通信手段を日常生活においても活用
できるよう、信州大学及び信州衛星研究会は研究開発に取り組んでいきたいと思います。

長い間のご支援、ご協力、本当にありがとうございました。

2014年3月18日 無線局免許状交付
3月17日に地上局及び衛星局の落成検査が行われ、無事に合格しました。翌18日に信越総合通信局長より
免許状が手交されました。
落成検査時の様子  提出書類説明の様子
2014年2月28日 「ぎんれい」打ち上げ成功
「ぎんれい」は2月28日午前3時37分(日本時間)に種子島宇宙センターよりH-UA23号機で無事に打ち上げられました。
また、午後5時過ぎに初めて長野上空を通過した際には衛星から発射されるビーコンを受信することができました。
その後も安定してビーコンの受信がてきています。
「ぎんれい」を搭載したロケット打ち上げの様子  「ぎんれい」運用中の様子
   提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)
2014年2月10日 「ぎんれい」ロケットに搭載完了
2月上旬に種子島宇宙センターに搬入された「ぎんれい」ですが、ロケットに搭載が完了しました。
写真提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)
「ぎんれい」をロケットに搭載した様子その1  「ぎんれい」をロケットに搭載した様子その2
2014年1月30日 「ぎんれい」JAXAへ引き渡し
「ぎんれい」は最終電気性能試験を行い、筑波宇宙センターでJAXAに引き渡しが完了しました。
2月初旬にはロケットが打ち上げられる種子島宇宙センターに輸送されます。
「ぎんれい」をコンテナに収納した様子  筑波宇宙センターに到着
JAXAに引き渡し完了
2014年1月10日 第10回信州衛星研究会開催
1月10日に信州大学工学部内の長野市ものづくり支援センターにおいて、第10回信州衛星研究会が
開催されました。打ち上げに向けてのサブシステムの最終状況を担当学生が発表し、質疑応答が行われました。
また、姿勢制御シミュレータとして、球面空気ベアリングに搭載された模擬衛星の姿勢制御実験(磁気トルカや
リアクションホイールによる制御)が披露されました。本装置を用いて姿勢制御パラメータを決定する予定です。

2013年12月24日 落成検査実施
先日の予備免許交付を受け、地上局及び衛星局の落成検査を実施しました。
衛星が地上にいる状態での試験は全てクリアし、あとは軌道投入後の通信試験を残すのみとなりました。
衛星局検査の様子
2013年12月11日 予備免許交付
総務省信越総合通信局より「ぎんれい」に搭載するアマチュア無線局及び「ぎんれい」管制用の地上局に
対し予備免許が交付されました。呼出符号は衛星局がJR0ZST、地上局がJR0ZSU、バックアップ局が
JR0ZSSとなります。この呼出符号には衛星局が「ShinshuTechnology」、地上局が「ShinshuUniversity」、
バックアップ局が「ShinshuSubstation」の意味も込められています。
総務省信越総合通信局の報道資料も合わせてご覧ください。

2013年11月30日 伊那市の子どもたちが「ぎんれい」を見学
信州大学は伊那市と包括的連携協議を結んでいます。連携事業の一つとして、伊那市創造館においては、
JAXA入笠山光学観測施設で取得した画像を用いて、中島特任教授の指導のもと、小惑星を見つける
「小惑星探査プロジェクト」を小中学生を対象に行っています。今年度の事業の一環として、伊那市創造館が募集した
伊那市の親子連れ(11名)が「ぎんれい」の見学に信州大学工学部を訪問しました。更に可視光通信とはどのようなものかを
実感するために、信州大学・信州衛星研究会が試作した懐中電灯型双方向通信機を用いて可視光による会話実験を楽しみました。
伊那市の子供たちと「ぎんれい」の記念写真
2013年11月3日 「ぎんれい」完成記念セレモニー
「ぎんれい」は組立完了後に各種環境試験を終了し、本格的に電気性能試験、ソフトウエアの開発に移行しました。
11月3日の午後、信州大学工学部敷地内の長野市ものづくり支援センター(UFO)において、同建屋クリーンルーム内の
「ぎんれい」の完成披露、並びに「ぎんれい」の名付け親の方たちを招待し、「ぎんれい」に搭載した銘板(名付け親の氏名を記載)の
レプリカを授与する記念セレモニーが挙行されました。愛称は、全国4000件以上の応募の中で、長野県内の4名と熊本県内の
2名の方の「ぎんれい」が選ばれました。当日はその内の5名が参加。「ぎんれい」の前で記念撮影も行われました(右写真)。
記念セレモニーでは愛称募集キャンペーンを繰り広げた信州大学と信濃毎日新聞社から、笹本正治副学長及び猪股征一副社長、
銘板を製作した信州吉野電機(株)吉野智胤専務取締役が出席し、挨拶並びに記念品贈呈が行われた。
その後、名付け親の方たちには多くの報道関係者(8機関)から質問等が寄せられ、当日並びに翌日の各社TVニュースや
新聞(11月4日付け、信濃毎日新聞1面、朝日新聞27面)で報道されました。
名付けセレモニーの様子  「ぎんれい」と名付け親の方々
2013年10月24日 長野工業高校生徒の見学
長野県長野工業高校から教員・生徒5名が見学に訪れました。「ぎんれい」のフライトモデルを見学しその後、
姿勢制御系の地上実験を行うための模擬衛星(空気浮上型実験装置)を見学(写真)、人工衛星に関し興味を示しました。
尚、本校は、第21回衛星設計コンテスト最終審査会(ジュニア部門)(2013年11月9日開催)にノミネートされています。
「ぎんれい」の姿勢制御実験装置を興味深く見守る生徒たち
2013年10月17日〜19日 諏訪圏工業メッセ2013に出展
地域のイベントとしては最も大きいといわれる諏訪圏工業メッセが諏訪湖イベントホールで3日間にわたって開催され、
約26,000人の参加者がありました。信州大学「ぎんれいプロジェクトチーム」は「ぎんれい」の模型展示、“ぎんれい、いよいよ宇宙へ”の講演を行った他、懐中電灯型可視光通信のデモンストレーションを行いました(長野日報2013年10月23日紙面に掲載)。
諏訪圏工業メッセ2013出展の様子
2013年10月7日〜16日 ベーキング、アウトガス測定、分離衝撃試験実施
筑波宇宙センターにてベーキング、アウトガス測定、分離衝撃試験を実施しました。
分離衝撃試験の様子
2013年10月2日、4日 振動試験実施
「ぎんれい」のフライトモデルが完成し、長野市の長野県工業技術総合センターにて振動試験を実施しました。
振動試験の様子
2013年9月26日 第9回信州衛星研究会開催
長野市ものづくり支援センターにて、第9回信州衛星研究会が開催されました。
「ぎんれい」フライトモデルの組み立てが終了し、研究会会員に公開されました。
また当日は報道機関の取材を受け、同日夕方3局のニュース報道、翌日の新聞2社に掲載されました。
信濃毎日新聞社記事ページ

2013年9月15日〜20日 FM熱真空試験実施
つくば市の株式会社エイ・イー・エスの小型スペースチャンバにてFM熱真空試験を実施しました。
FM熱真空試験の様子その1  FM熱真空試験の様子その2
2013年7月13日・14日 2013まつもと広域ものづくりフェア出展
松本大学キャンパスで開催されたものづくりフェアに「ぎんれい」の模型展示と可視光通信デモンストレーションを行いました。http://www.m-isc.jp/fair2013/plan2013.html
まつもと広域ものづくりフェア出展の様子
2013年6月20日 第2回衛星設計確認会/第8回信州衛星研究会開催
長野市ものづくり支援センターにて、第2回衛星設計確認会並びに第8回信州衛星研究会が開催されました。
姿勢制御系、通信系、データ処理系、構造系、電源系、熱制御系担当学生から進捗状況が報告され、質疑応答後、
「ぎんれい」の設計内容が確認されました。

2013年4月9日 国際シンポジウムで発表
ベルリン(ドイツ)で開催された第9回地球観測用小型衛星のIAAシンポジウム
(9th IAA Symposium on Small Satellites for Earth Observation)で下記を発表し、
多くの人に興味を持ってもらいました。

IAA-B9-0209P A.Nakajima et.al:"ShindaiSat", a Visible Light Communication Micro-Satellite

2013年3月21日 第7回信州衛星研究会開催
長野市の信州科学技術総合センター(SASTec)にて第7回信州衛星研究会が開催されました。
また、研究会の模様が当日のNHK(長野県内)、SBCにてニュース報道され、翌日の信濃毎日新聞紙8面に掲載されました。

2013年3月8日 構造モデル振動試験実施
長野市の長野県工業技術センターにて構造モデルの振動試験を実施しました。

2013年3月7日、8日 中央アルプスビジネスフェア2013出展
伊那市で行われた中央アルプスビジネスフェア2013に出展しました。
中央アルプスビジネスフェア2013出展の様子
2013年2月8日、9日 ものづくりフェア2013出展
岡谷市のララオカヤおよびテクノプラザおかやで行われたものづくりフェア2013に出展しました。
ものづくりフェア2013出展の様子
2013年1月1日 愛称決定
可視光通信実験衛星「ShindaiSat」の愛称が「ぎんれい」に決定しました。詳細は愛称募集及び
信濃毎日新聞記事ページ信濃毎日新聞社特設ページをご覧ください。

2012年12月3日〜8日 熱真空試験実施
JAXA関西サテライトオフィスにて熱構造モデルの熱真空試験を実施しました。
熱真空試験の様子
2012年11月20日〜22日 学会発表
別府国際コンベンションセンターにて行われた第56回宇宙科学技術連合講演会にて
以下の6件の発表をしました。

・1L16 亀村誠人(M2)他:信大衛星のシステム設計
・1L17 濱秀典(M1・飯塚研)他:信州製可視光通信実験衛星(ShindaiSat)用中央制御ボードの開発
・2L02 若山裕記(M2)他:超長距離可視光通信用光学系及び回線設計
・3I06 中島厚(教授)他:可視光通信実験衛星ShindaiSatの開発
・3M19 福澤新(M1)他:可視光通信実験衛星「ShindaiSat」の熱解析
・1E15 酒匂信匡(准教授)他:Nano-JASMINE運用計画立案と演習について

2012年11月15日〜17日 諏訪圏工業メッセ出展
諏訪湖イベントホールにて行われた諏訪圏工業メッセ2012に出展しました。
諏訪圏工業メッセ2012出展の様子
2012年11月2日〜4日 善光寺平産業フェア出展
長野市ビッグハットにて行われた産業フェアin善光寺平2012に出展しました。
産業フェアin善光寺平2012出展の様子
2012年10月30日〜31日 アンテナパターン測定実施
飯田EMCセンターにてアンテナパターン測定を行いました。

2012年10月19日〜21日 コンポーネント黒色塗装実施
熱構造モデルの熱真空試験用コンポーネントの黒色塗装を実施しました。
(協力:東京大学 中須賀・船瀬研究室)

2012年10月17日 安全審査部会
JAXAつくば宇宙センターにて行われたPhase0/1安全審査部会に参加しました。