学生生活・進路
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学生生活・進路

受験生の皆さんへのメッセージ

 受験生のみなさん、はじめまして。このページをご覧になっているということは信州大学理科教育コースに少しでも興味を持ち、教師を目指そうとしている人が多いのではないでしょうか。今受験勉強をするにあたって、また自分の将来を考える中で大学選びがひとつの悩みになっていることと思います。教育学部であればどこの大学でも同じではないかといった疑問をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。受験生の時の私もそういった疑問を感じていました。たくさんの選択肢がある中で大学ごとの違いはどのようなことがあるのかを調べるのは手間がかかり、はっきりとした違いを見つけるのは大変であると思います。私が信州大学教育学部理科教育コースに在学してきた3年間を通して感じる信州大学全体と理科教育コースについてのいいところをいくつか挙げさせてもらい、信州大学について知っていただきたいです。

1つ目に実際の学校現場で子どもたちと関わる機会が多くあるということです。信州大学には長野市と松本市に附属の学校が設立されており、長野市には附属長野小学校と中学校、松本市には小学校と中学校に加え幼稚園があります。この附属学校で各学年に応じた内容の実習がカリキュラムに組み込まれており、1年時は松本キャンパスであるので幼稚園、小学校、中学校の3つに分かれ、それぞれ配属された学級の授業や部活動などの参観を通して子どもたちの様子を見ることができます。さらに、地域教育演習というものを希望すると松本市内の公立小学校に1週間演習に行くことができます。2年時には長野キャンパスに移動し、長野市内の公立小学校に1週間行って子どもたちと関わるとともに授業の手伝いなどを行います。3、4年時は教育実習があります。教育実習では実際に授業内容を考え、準備し子どもたちに自分自身が授業を行います。このように4年間を通して子どもたちと関わることのできる環境がとても充実していると思います。

2つ目に教師になるための知識を身に付けられる授業です。理科教育コースでは必修の授業を通して物理、化学、生物、地学の4科目すべての基礎的な知識に加え高校以上の知識を身に付けることができます。さらに、座学だけでなくそれぞれの科目の実験や教育学部を取り巻く環境を活かしたフィールドワークも行います。教科書や先生から教わってきた高校の時に比べ自分で考えることが増えるので新たな発見や充実感も味わえると思います。受験生のみなさんの中には、「高校で地学を勉強していない。」「物理は未履修だ。」など不安もあると思いますがそれは問題ありません。現にわたしも生物、地学について高校ではやってきませんでしたが授業についていくことができました。理科教育コースでは2年生から各研究室に分かれ研究や勉強をします。それぞれの研究室ごとの活動を通してさらに専門的な知識を身に付けることができます。

3つ目に様々な人間関係をつくることができるということです。信州大学には長野県以外の出身者が多く、サークルもいろいろな種類があるので自分の人間関係の幅を広げられます。教育学部だけみても他コースとも関われるのでいい仲間がきっとできると思います。理科教育コースは25人前後の集まりであり、教師という同じ目標を持った仲間と4年間過ごしていくため、社会に出た後も続いていく関係を築けると思います。
実習、授業、人間関係について話させていただきました。これを見て少しでも理科教育コースに対する気持ちが強くなってくれれば幸いです。理科の教師を目指す方にとって信州大学教育学部理科教育コースは充実した環境が整っていると思います。信州大学で過ごす4年間は様々な刺激を与えてくれると思います。受験生のみなさん受験勉強頑張ってください。みなさんが入学されることをお待ちしています。

教育学部 理科教育コースの4年間

1年:松本キャンパスで全学部の学生と共に学ぶ

・入学直後に各種オリエンテーション、新入生歓迎会などがあり、2年生からアドバイスをもらいます。
・サークル活動でも新入生歓迎会を行っているので、友達を誘っていくだけ行ってみるのも良いかもしれません。友達の輪が広がります。
・理科教育コースは1年次、一般教養科目・教職教養科目のほかに基礎科学科目(数学・物理・化学・生物・地学)を学びます。前期で4つ、後期で2つ受ける事ができ最低4つを選んで取得する必要があります。前期で確実に4つ取ることをお勧めします。
・臨床経験科目としては、附属松本小中学校・幼稚園や松本市内の小中学校で学校生活を体験します。また教育参加として、高遠青少年自然の家で開催される活動(後述)に参加します。1年次の介護等体験では、特別支援学校に行きます。
・6月には県の森フェスティバルという1年生のみのイベントが開催され、専攻で出店をだします。専攻内の交友を深めましょう。
・夏休みには、志賀高原にある附属施設に行き1泊2日の自然教育の実習を行います。野外で自然の特徴について説明を聞いたり、自分たちで地図を見ながら歩いたりします。また、高遠青少年自然の家で行なわれる野外活動は、他専攻の人と6~7人の班を作り2泊3日一緒に様々な活動をします。野外教育に必要な知識や、自然で遊ぶ方法などを楽しみながら学ぶことができます。
・理科では、9月下旬に長野にある教育キャンパスで体験教室を開催しています。簡単な実験・実習を通して、教育キャンパスの雰囲気を経験します。これが2年次以降の研究室をどこにするかを決めるきっかけとなるでしょう。
・1年次で大切なことは大学での生活に慣れる事、当たり前のことですが遊びと勉学をきちんと両立する事です。全国各地から様々な人が集まっています。せっかくなので多様な人と関わりながら交友を深め人間関係を広げましょう。松本キャンパスにいる間に他学部の友達を多く作っておくのも良いでしょう。勉強ばかりしていてはもったいないです。取るべき単位はきちんと取り、いろいろな経験をしましょう!

2年:専門科目の基礎を学ぶ

・理科分野では初日のガイダンスがあり、卒業研究をするための研究室を決定します。
・理科の科目としては、物理・化学・生物・地学の基礎の講義および実験があります。その他、小・中学校免許取得に必要な教職に関する科目また理科に関する専門的な授業など1年次よりも専門性の高い授業を学びます。
・2年次から研究室でのゼミが始まり、それぞれの研究室独自のテーマで展開しています。
・2年次の介護等体験は社会福祉施設(デイサービスや養護老人ホームなど)で5日間行います。
・教育臨床入門に代わり、2年次は教育臨床演習が行われます。長野市内の公立小学校で5~6日間実習を行います。教育実習ではないので、おもに授業の参観や子どもたちとの遊び、授業のお手伝いなど教師の一日の生活を体験します。演習後は分野ごとにリフレクションを行います。色々な考えを共有でき自分のこれからの考え方に反映できます。
・2年次で大切なことは4つの基礎実験科目をきちんと取得する事。これに限ります。2年次が(全学科の中で)一番忙しいといっても過言ではありません。2年次どう過ごすかが3,4年の忙しさを決めます。頑張りましょう!!

3年:専門性を深める。教育実習Ⅰを行う。

・3年生になると、必修科目が2年次に比べ少なくなります。副免(中・高他教科、特別支援など)を取得する学生もいます。
・理科に関する科目は、研究室に関連したものが中心になります。専門性を深めましょう。
・3年次はいよいよ教育実習があります。4週間に及ぶ実習です。担当するクラスに合った指導案を書いたり、教材研究をしたりと初めての事がたくさんあり、戸惑うことも多いでしょう。またなかなか寝れないということもあり大変だという印象があります。しかし、それに見合った経験が蓄積されるとともに、教師になりたいという気持ちがより深まります。先に書いたように大変なことがたくさんありますが、担当教員や同じクラス・学科の仲間と協力することで乗り切る事ができます。1人で抱え込んで頑張るのではなく、頼るところは頼り、手伝えるところは手伝ってお互いに支え合っていくことが大切です。

教育学部の一大イベント:教育実習Ⅰ

実習は6月の最終週1週間と8月中旬~9月中旬の3週間の計4週間行われます。
実習校として選べるのは、附属長野小・中学校、松本小・中学校、幼稚園の5校(幼稚園に行く場合は、松本小に2週間と幼稚園に2週間行くことになります)。
教育実習Ⅰは2年生のはじめに主免として申請した学校種で行います。
長野小・中学校は長野電鉄の始発か、始発の次の電車に乗って自宅から通います。松本小・中学校、幼稚園へは、附属学校園の敷地内に併設された寮から通います。
はじめの1週間は、実習に慣れるために設定されており、人によっては、1~2回授業を行います。
第1週目は、梅雨の時期とかぶります。後半の3週間では本格的に授業を行います。
実習生はみなよい授業を作ろうと夜遅くまで作業をします。
やるべきことが大量にあって追い込まれることもしばしばありますが、仲間同士で励まし合ってみんな頑張っています。
睡眠不足になりがちですが、翌日に子どもの笑顔を見ると疲れを忘れられます。附属学校の先生や子どもたちからは実践力を学ぶことができます。
4週間の実習を終えると、授業の見方や教育に対する考えが大きく変わる人が多いです。
信州大学教育学部の教育実習は母校に行くことはできませんが、附属学校において確実な実践力を学ぶことができます。

4年:教育実習Ⅱ、卒業研究(世界で初めてとなる成果をだす)

4年になると授業はほとんどなく、各研究室で卒業研究が始まります。研究室に自分の席が用意され、一日中研究室にいるような生活になります。
理科教育コースでは実験を行うため、4年時でも毎日学校に来るようになります。
卒業研究は指導教員の先生と共に進めていきます。2、3年時では担当の指導教員とはゼミや授業のみのつながりではありますが、4年時では4月から卒業研究がスタートし、先生と話す機会が多くなります。先生と実験結果などを議論しながら、2月の卒論発表会まで研究生活が続きます。
後期になりある程度研究がまとまってくると、12月もしくは1月くらいから卒業論文を書き始めます。そして2月の発表会に自分の研究成果を発表して卒業研究の単位となります。

教育実習Ⅱ:3年時に行った教育実習Ⅰで中学校へ行った人は小学校へ、小学校へ行った人は中学校へ行き6月の2週間行います。
私は附属松本小学校で実習を行いました。松本での実習の場合は寮生活になります。寮生活では実習生仲間と夜遅くまで授業について議論できたりすることができます。教育実習Ⅰと同様良い経験になり、自分がどの校種に向いているかなどについて考えるよい機会になります。

4年間の時間割

ある学生の時間割を紹介します。

1年前期

 
1 NHKビデオで学ぶ地球環境の歴史     微分積分学 力学
2   教育臨床入門 一般化学 日本国憲法 理科教育ゼミナール
3 コミュニカティブイングリッシュⅠ 農山村と環境 フレッシュマンアカデミックイングリッシュⅠ    
4 生物化学     初等体育科指導法基礎  
5 生活の中の天文学       初等理科指導法基礎

1年後期

 
1   健康科学・理論と実践 社会基礎    
2         算数科指導法基礎
3 コミュニカティブイングリッシュⅡ 教育経営 フレッシュマンアカデミックイングリッシュⅡ 剣道 自然マイスター
4 環境社会学入門   韓国の文化 環境教育 家庭生活基礎
5          

2年前期

 
1   力学 コンピュータ利用教育   初等教育内容・方法論
2 アカデミックイングリッシュⅠ 人間の生成と社会 初等家庭科指導法基礎 理科基礎 児童理解概論
3 電磁気学 地質学概論     国語基礎
4 地学基礎実験 生物学基礎実験 教育臨床演習 化学基礎 物理学基礎
5 地学基礎実験 生物学基礎実験   化学基礎実験 物理学基礎実験

2年後期

 
1 熱学・統計力学 無機化学 図画工作基礎   中等教育内容・方法論
2 アカデミックイングリッシュⅡ     図画工作指導法基礎 生徒指導・進路指導概論
3   生化学   発達・教育心理学概論  
4   生物学基礎 教育臨床演習 化学基礎実験 物理学基礎実験
5 地学基礎     化学基礎 物理学基礎

3年前期

 
1 量子力学     教育相談概論  
2   初等音楽科指導法基礎 道徳教育と市民社会 初等国語科指導法基礎 中等理科指導法基礎
3         生活科指導法基礎
4   物理学実験Ⅰ 教育実習事前・事後指導 物理学演習Ⅰ 生活基礎
5   物理学実験Ⅰ      

3年後期

 
1     道徳教育と人格形成   固体物理学
2 理科授業研究基礎     特別活動の理論と教育方法 理科教育教材論
3 理科指導法研究     初等社会科指導法基礎  
4   物理学実験Ⅱ 教育実習事前・事後指導 物理学演習Ⅱ  
5   物理学実験Ⅱ      

4年

 
1          
2          
3 卒業研究ゼミ   教職実践演習    
4          
5   研究室ゼミ      
 

学生生活

松本の風土、生活

1年生のときは全員松本キャンパスで学びます。そのため学部を越えて友人・知人を作ることのできる絶好の機会です。キャンパスは松本駅からは少々遠いのですが、近隣にはスーパーや温泉街もあり、比較的生活しやすく落ち着いた環境です。松本は雪が降らないわりに寒く、厳しく感じる人もいます。部活やサークルは、全学の学生が集まっていることもあり活発に活動しています。アルバイトをしている学生も多くいます(塾講師、家庭教師、飲食店など)。また、比較的自由度が高い(1日平均2から3コマの講義)ため自分の時間が多くとれます。その自分の時間をどう有効活用できるかは全て自分次第です。車の免許を取りに行くのもよし、図書館に行って好きな本を読むのもよし、松本の街を探索するのもよし、もちろん勉強するのもよし。いずれにしても自分で考えて自分で行動しないと何も起こりませんし、大学生活はそれができる最高の期間です。

長野の風土、生活

2年生になるとキャンパスが松本から長野に移ります。県庁所在地なので、松本よりはいろいろなものがそろっている印象です。道路事情など城下町(松本)と門前町(長野)の違いをなんとなく感じます。大半の学生は1年生の夏休みのうちに長野に行って2年生以降に住む家を探すというのが教育学部の学生の1つのイベントになっています。教育キャンパス(西長野)のまわりにはスーパーも少なく、坂道が多いので買い物をするのが大変です。自転車があっても、冬になれば雪が降るので大変だと思います。よって、車や原付など自分の交通手段を持っている学生が多いです。家賃の相場は松本とそれほど変わりませんが、平均的に長野の方が少し高いです。西長野、新諏訪、桜枝町付近に多くの学生が住んでおり、少し遠くなると箱清水、善光寺下、上松、三輪あたりに住んでいる学生もいます。 授業は1年生の頃とは比べ物にならないほど質も量も上がります。理科の場合1日平均4~5コマくらい授業があります。レポート課題なども多く出されて、結果的に自分の時間は少なくなります。また部活に参加している場合、平日は授業が終わってから1時間半ほど練習します。屋外競技の場合、日が暮れるのが早くなると練習は朝練(6:30~)に変わります。土日は松本の旭グランドに全学部が集まり全体練習をします。2年生は時間の使い方がとても重要です。私は中学生にサッカーを教えるバイトもしているおり、時間的にはあまり余裕がありません。非常に充実した日々を送っています。

アルバイト

アルバイトは塾講師、家庭教師、居酒屋、チェーン系の飲食店など、いろいろなアルバイトがあります。学費・生活費を稼ぐために重要なばかりでなく、実際に教壇に立つこともあれば、社会経験をすることができます。また、アルバイトで知り合い、大学とは異なった人脈を拡げることができます。先輩などから紹介してもらうこともできます。

部活

部活に参加することをおすすめします。学部・バイトとは違った人に出会えます。また一番大きいのはOBとのつながりをもてることです。大学の部活動は指導者に教えてもらうわけではなく、自分たちで練習を考え、ビデオチェックをし、対策をしています。自分たちのチームを作っている経験ができ、さらに中学校等での部活動指導のスキルを身につける上でも役立ちます。

住まい(家賃)・生活環境

松本は大学の東側にアパートを借りることをおすすめします。家賃:3万円後半から5万円程度のところが多い。 長野は、大学近辺であれば、西長野、新諏訪、桜枝町付近をおすすめします。また、少し遠くなると箱清水、善光寺下、上松、三輪あたりに住んでいる学生もいます。これらの地区は、坂を上り下りする必要があります。家賃:3万円後半から5万円程度のところが多い。

進路

 進路ですが教育学部ですから、大半は教員になります。理科教員になる人もいれば他の教科の教員になる人もいます。大学に入って理科以外の科目の講義を受けたり自分で勉強したりすると副免といってほかの教科の教員免許を取ることも可能となります。教員にならない人はどういう進路があるの?と思った方もいると思います。教員にならない人は専門性をもっと深めたいと思って大学院に進んだり、教育実習や大学での講義を経て教員はやっぱり違うかなと思って公務員,一般企業へ就職したりしています。大学生活は4年間ありますから今現在教員になりたいと思っている人も大学に入ると進路について悩むことがあるでしょう。大学に来ると高校までとは比べ物にならないほど社会への視野が広がり情報量が増えます。先輩の話や教授の話、社会の情報から3年間自分の進路について考え最終的に4年になった時に自分の進路が決まっていればいいと思います。とにかく自分の進路は自分で決めるものなので、教育学部に来たからと言って必ずしも進路が決まっているわけではありません。大学生活の中で色々な経験をして、たくさん考え自分はどうしたいのかということを深く考えるといいと思います。

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