教員紹介

つじ りゅうへい

辻 竜平

社会学 教授

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栃尾の一日

 去る5月31日(日).研究室の学生を4人ともなって,新潟県旧栃尾市(現長岡市)の中野俣小学校を訪問しました.そこで行われる中野俣3地区と中野俣小学校の合同の「地区運動会」を見学に行くためでした.この小学校には,中越地震のあと,何度も訪問し,お話を伺ってきました.昨年の10月にも学生を授業の一環で連れて行きましたが,今回は,名目上は,私の継続的な研究のためということになります.しかし,学生たちにも運動会などを見てもらうことがよいのではないかという思いから,学生と一緒に行きました.
 これに先だって,5月中旬に小学校に電話して日にちを確認するとともに,中野俣小学校に今年4月に赴任された新しいI校長先生にご挨拶したり準備したりしました.
 学生を研究室で募ったところ,2年生には残念ながら希望はなく,昨年10月に一緒に行った学生の中から3人(4年1人,3年2人)と新たに3年1人だけが希望しました.事前にほとんど何の説明もしなかったので,2年生が希望しなかったのは致し方ないところかもしれません.今回の訪問の目的の1つは,その4 年生が震災復興にかかわる卒論に取り組むこととなり,私が震災後4年間研究のために通ってきた中野俣小学校にその学生がこの1年間何度かお邪魔したいとお願いを申し上げに行くためでした.

 さて当日.朝5時に集合して一路栃尾へ.しかし道中は時折激しく雨が降り,またほぼずっと多少とも雨が降り続いていました.中止になったら校長先生や区長さんにお話を伺えばよいかなと思い,雨のことはあまり気にせずに行くことにしました.現地には開始の半時間ほど前に到着しました.新しい校長先生やそこにおられた区長さん,住民の方々,小学校の児童と挨拶し,校長室に通していただきました.
 校長先生からは,先に出版された『中野俣集落誌』の記事(大学サイト個人サイト)に掲載してもらった拙文について過分なお礼のお言葉をいただき,ついては来賓席でなどという厚遇を受けることになってしまい,これまでのどこかからたまにやってくる研究者の人という感じからはほど遠くなってしまい,何だか居心地の悪い感じを味わいました.席は3人の区長さんたちの隣で,公民館長さんに挟まれた場所でした.区長さんたちと久しぶりにお話ししましたが,次々と種目が替わっていくので,あまり落ち着いては話せませんでした.
 この運動会は,小学校の運動会(赤白対抗)と3地区対抗の運動会を兼ねていますが,今年は飛び入り参加可能な「ドーナツ食い競争」があり,私も学生たちとともに参加させてもらいました.スタート地点でバットを立てて軸にしてバットのグリップエンドに額を押し当てた状態で5回転してからドーナツめがけて走ります.自分としては5回転くらいでも大して問題なく走れていたつもりだったが,学生からは,よろよろだったと言われました(苦笑)
 お昼は区長さんたちと一緒に別室でいただき,学生たちも同席させてもらいました.破格の厚遇に恐縮しました.お昼の席では,区長さんたちから拙文に対してやはり過分なお礼の言葉をいただき,再び恐縮してしまいました.また,繁窪地区の区長さんからは,運動会が終わってから,同地区に昨年オープンした「いろり庵」にどうぞとのお誘いをいただきました.
 お昼をいただいてから杜々の森名水公園に行き,館長のSさんと学生たちを交えて少しお話しする時間をいただきました.Sさんの明るいお人柄に,学生たちも自然にお話しさせていただくことができました.
 そしてまた小学校に戻り,後半のリレーや綱引きといった種目を見ました.学生たちも,児童のみなさんとだんだん仲良くなってきたようで,自然と応援に熱くなっていました.
 運動会は,体育館の中で無事終了しました.われわれは,繁窪区長のYさんに促されて,すぐに繁窪地区の「いろり庵」を見学に行きました.復興事業の一つとして完成したこの小さな庵で,集落の人たちが集ったり,よそから来た人たちと話をしたりすることができる施設になっていました.繁窪地区の人たちが作った民芸品や加工食品なども販売展示されていました.繁窪地区もそして他の2地区もますます繁栄していくことを願うばかりです.
 その後,半蔵金地区に立ち寄りました.まだ倒壊して撤去されていない家屋を目の当たりにして,学生たちは,ここが震災の被災地だということをようやく感じ取った人も多かったようです.それから,道の駅に立ち寄って,銘々がおみやげなどを買いました.
 充実した一日を過ごしましたが,残念だったのは,やはり雨でした.夕方までにやんで日が差していたら,この時期に八方台越えで帰ると,田植えが終わって水が田んぼに張られたところに夕日が反射してとても美しい長岡市街地方面の平野全体を,峠のところで見渡すことができます.この景色は,田植えのあとしばらくの間しか見られませんので,それはまた来年以降にお預けです.
 その景色が見られないのが悔しいので,栗山沢から,旧守門村方面に抜けて,小出インターから帰りました.途中旧守門村の上条駅に立ち寄り,失われつつある日本の風景の1つである無人駅を見学してきました.学生たちは,信州の風景とはまた少し違う雰囲気を楽しんでいました.
 帰りの車内では,さすがに疲れたのか,ノリが夜のノリになってきて,「村山越え」など,きわどいネタが出るたびに大笑いしながら帰ってきました.
 この翌日は,社会学分野の2,3年生を中心とした青木村の見学でした.この栃尾のショートトリップに参加した学生たちは,比較の場を得たことで,よりいっそう優れたまなざしを持つようになってくれたことを期待したいと思います.

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