教員紹介

おおぐし じゅんじ

大串 潤児

歴史学 教授

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日韓・韓日合同ゼミナール 2014夏・松本

第6回 日韓・韓日 交流・合同ゼミナール

第6回目の交流・合同ゼミナール

  2014年7月17~18日、大韓民国ソウル特別市・光云大学校の金廣烈先生はじめ先生がた、学生さんたち13人が松本・信州大学にやってきました。   このブログでも何度か紹介してきたように、光云大学校の金廣烈先生の授業と、信州大学人文学部日本近現代史ゼミはこれまでずっと交流を続けて来ました。   今回は、準備期間(前史)をふくめて10年、6回目となる交流合同ゼミです。    今回のテーマは、「長野県における朝鮮人労働者」、日本の学生による(ハングルでの)発表にくわえ、松本市郊外里山辺地下工場跡のフィールドワークを行います。松本強制労働調査団の案内で、日韓・韓日両学生グループになってのフィールドワークです。   交流合同ゼミは、2006(「韓流・日流は日韓・韓日関係を変えるか?」・ソウル)、2007(「地域からみる日韓・韓日関係史」・松本+松代大本営地下壕フィールドワーク)、2010年「韓国併合100年と日韓・韓日関係の未来」・ソウル)、2011(「東アジアのなかの東日本大震災」・松本)、2013(「民族問題と少数民族/留学体験からみる多文化交流」・ソウル)と回を重ねて来ました。

松本市内観光へ

松本城での光云大学校生とゼミ生

  17日、夕方、東京よりは涼しくて過ごしやすい松本に一行は到着。韓国からの旅路の疲れを浅間温泉で癒したそうです。ちなみに、光云大学校の定宿は、ご飯も美味しい浅間温泉〝榮の湯〟です。   18日、午前中は信州大学人文学部日本近現代史ゼミの4年生がエスコートしての松本市内観光。   主に、松本城や「なわて通り」を紹介したようです。4年生にとっては、2年前の春、ソウル市内を案内してもらったことの「恩返し」かな。   前日の夜から朝方にかけてはすごい雨となっていましたが、幸い、市内観光の際には、よく晴れた天候となりました。   

戦時期長野県の朝鮮人労働者

 里山辺地下壕ないで解説をしてくださる松本強制労働調査団の小島さん。

  今回は、①東アジア史を地域に視点をおいて考えようとする学生がゼミ生にいたこと(ハングルを勉強しています)、②金廣烈さんが、日本における戦争史・民衆史掘り起こし運動を紹介する著作をソウルで出版され、そのなかに長野県のことが紹介されていたこと(-廣烈さんは長野に調査に良くこられている)、などという理由からの上記テーマによる開催となりました。   ゼミ生の浅田さんの報告、「長野県と朝鮮人労働者」と題する報告では、戦前戦時の渡航朝鮮人の概要と長野県での実際、長野県における松代大本営など強制連行・強制労働の概要、戦後における掘り起こし運動と市民運動、といったことが論じられました。   光云大学校の学生からも、戦後責任の取り方、遺骨返還の問題、韓国における戦時中の出来事の評価、など厳しくも重要な論点・質問が提起されました。ゼミの学生もよく答えていたと思います。光云大学校の先生方からは、日韓/韓日関係が厳しいなかでもこうした交流を続けく意義があること、「関係史」という視点の重要性、などが指摘されました。 ※通訳を引き受けてくださった大熊先生ありがとうございます。   15:30からみんなで松本市郊外、里山辺の地下工場跡を見学しました。   戦時期、名古屋の航空機工場の疎開地として掘削された地下壕です。中国人捕虜をはじめ、多くの朝鮮人が動員され、厳しい労働に従事しました。地下壕の落書き(「天主」、日の丸に×?)などの解説も充実したものでした。日韓/韓日学生一緒のグループによる見学会でしたので、それぞれ何かを感じたと思います。 案内してくださった松本強制労働調査団のみなさんありがとうございます。

次はソウルで!

里山辺地下壕あと前での日韓記念写真

  夜からの懇親会もたいへん盛り上がりました。なかなかことばは通じないけれども、なにやら、仲よくやっていたようです。 ※今回の交流・合同ゼミには信州大学から国際交流事業特別経費の補助を戴きました。記して感謝します。 ※金廣烈先生、全鎮浩先生、大熊先生、たいへん素晴らしい交流会・合同ゼミが出来ました。ありがとうございます。 ※정우くんはじめ、光云大学校の学生のみなさん、次はソウルで! ※今回の企画には大学から援助を戴きました。ありがとうございます。 ※ただ、心残りは、2013年、信州大学人文学部日本近現代史ゼミに留学していた、은별さんに会えなかったことです。

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