教員紹介

おおぐし じゅんじ

大串 潤児

歴史学 教授

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こんなことしています(研究)

北海道 2011・夏 その1

北海道大学総合博物館

北海道大学総合博物館

 2011年の夏,北海道を旅しました。  札幌市立図書館では戦前戦中期の札幌モダニズムの基本的な文献を集めました。  あいた時間を利用して北海道大学総合博物館を訪ねました。ずいぶん前に訪れ、録音装置もまだないころ、ポーランド人学者ピウツスキによって蝋管に記録されたアイヌ語の録音(復元)に感動して、今一度それを見たいとも思ったからです。

ピウツスキ蝋管のアイヌ語・展示

 博物館はリニューアルしていました。感動的であったのは、北大の優れた学問的成果を展示するのみならず、常に自らの学問そのものを問い直す視点が貫徹していたことです。 〈札幌農学校の教育について〉 ・・・・今の北大はどうか。「従順なる官僚、利益にたける実業家、または温良の紳士」のみを輩出する大学になっていないか。いや、むしろ、それを求めていないか。「正義に燃え、真理を熱愛し、社会人類の為に犠牲たらんとする人物」、正義のためには、保身を捨てて、強者や時の政権にも堂々と物申すことの出来る人材を輩出しているか。少なくとも札幌農学校初期の教育はそのような人材を輩出した。今はどうか。歴史を振り返り、北大が問われている問題である。・・・・(展示キャプション)

ポプラ並木再生のプレート

〈北海道大学における人類学・先史学研究・「人骨問題」について〉 ・・・・「古川講堂「旧標本庫」人骨問題」で明るみに出された諸事実、すなわち韓国・東学党蜂起の主導者の頭蓋骨を盗み取った事例や、樺太(サハリン)のウィルタ民族の墓地をあばいて頭蓋骨を持ち帰った行為などは犯罪的なことである。・・・・総合博物館ではこのような北大の言わば「負の遺産」問題を重く受け止めて、検討をすすめ、積極的にその成果と「博物館実習」や複合科目の講義にも取り上げてきている。・・・・(展示キャプション)  あらためて大学の役割、自らの学問の社会的意義について考えさせられると同時に、大学全体でこのような自己反省的なテーマに取り組み、それを積極的に社会に発信していくすがたに多くのことを考えさせられました。  2004年、台風によるポプラ並木被害の再生にも大学の精神が活かされています。

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