直播栽培の方式

大別すると、以下の3通りのやり方があります。
どの方式を取るかは、その地域の気候条件、土壌条件などが決め手になります。
日本で栽培面積が最も大きいのは、このうち「乾田直播」というやり方です。

畑の状態の田んぼに種をまくやり方を「乾田直播」
水田の状態の田んぼに種をまくやり方を「湛水直播」
上の2つのやり方の中間的なやり方を「折衷直播」
と分類しています。

近年、いろいろなやり方が開発されてきたため、実際には、分類や名称が複雑になっており、農林水産省では分類や名称の見直しが検討されています。


各方式の特徴

乾田直播(「かんでんちょくは」 または 「かんでんちょくはん」

湛水直播(「たんすいちょくは」 または 「たんすいちょくはん」)

折衷直播(「せっちゅうちょくは」 または 「せっちゅうちょくはん」)


乾田直播

水を入れる前に田を耕して種をまきます。苗がある程度まで生長して根づいたら田んぼに水を入れて水田の状態にしてイネを育てるやり方です。


利 点


欠 点


乾田直播の最も一般的な作業手順

 耕 起 (耕すこと)

   ↓・・・・ 除草剤を散布します

 播 種 (種まき:土の中にまく)

   ↓・・・・ 種が発芽して、苗が育つまで田んぼに水を入れない

 入 水 (田んぼに水を入れて水田にする)

   ↓

 以後は、田植えによる栽培と同様に管理する

<UP>


湛水直播

田んぼに水を入れてから耕し、種をまきます。
この方式には2通りのやり方がありますが、最近は「湛水土壌中直播」という新しいやり方が主流になってきました。


利 点


欠 点


湛水土壌中直播の最も一般的な作業手順

 入 水

   ↓

 耕 起 (代かき:泥の状態の土を耕すこと)

   ↓

 播 種 (種まき:土の中にまく)

   ↓・・・・ 除草剤を散布します

 以後は、田植えによる栽培と同様に管理する

   *:従来のやり方では、種は土の表面にまいていましたが、新しい方法では土の中にまく。

<UP>


折衷直播

大別して2通りのものがあります。

タイプ1=代かきをしないやり方
  畑の状態の田んぼの土を耕して種をまき、その後すぐに水を入れて水田状態にする。
   乾田直播と異なるのは、種まき後すぐに水を入れる点。

タイプ2=代かきをするやり方
  水田状態で土を耕した後、いったん排水して種まきし、苗がある程度育ってから再び水を入れる。
   湛水直播と異なるのは、種まきから苗が育つまでは田に水を溜めない点。


利 点

 いろいろなやり方があるため、一概に言えないが、

欠 点

 代かきしないやり方の場合

 代かきするやり方の場合


最も一般的な折衷直播の作業手順
  <タイプ1>

 耕 起 (耕すこと)

   ↓・・・・ 除草剤を散布します

 播 種 (種まき:土の中にまく)

   ↓

 入 水 (播種後すぐに田んぼに水を入れる)

   ↓

 以後は、田植えによる栽培と同様に管理する


  <タイプ2>

 入 水

 耕 起 (耕すこと=代かき)

   ↓

 落 水 (土が乾かない程度の排水をする)

 播 種 (種まき:土の表面にまく)

   ↓・・・・ 除草剤を散布します

 入 水 (種が発芽して、苗がある程度育ったら田んぼに水を入れる)

   ↓

 以後は、田植えによる栽培と同様に管理する

<UP>