スマート精密林業の知財技術と社会実装  202241日更新


 研究室で開発したスマート精密林業に関する知財技術について紹介します。先進技術の人工衛星、ドローン及びレーザ計測を用いて、安全・短時間・科学的な省力化技術として、日本林業の成長産業化に貢献します。
 現在、人手と労力を要しているサンプル調査によるアバウトな森林資源や収穫調査、間伐の選木方法や伐採木の確認と検査業務、AIによる植栽木の苗木の自動検出技術、広葉樹の三次元の単木区分技術など、森林リモートセンシングで困難や不可能と考えられていた課題解決の技術です。

 大学認定ベンチャー精密林業計測鰍ヘ特許権者の信州大学から独占的特許実施許諾を受けて、自治体や林業事業体、森林管理署で社会実装に取組んでいます。 



発明の名称        樹種分類方法、森林現況情報の作成方法、間伐区域の選定方法
発明者             :加藤正人
特許権者      :国立大学法人信州大学
出願日       2008930
登録日            2012113
特許証            :特許第4900356号 

特徴              :人工衛星や航空機に搭載された空間分解能1m以下の高分解能光学データを用いて、単木の樹種別樹冠区分、樹冠の混み具合と大きさから林相のゾーニング、優先度の高い間伐地を半自動区分する技術

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発明の名称    :樹木本数算定方法及び樹木本数算定装
発明者             :加藤正人
特許権者      :国立大学法人信州大学
出願日       20081112
登録日         20111111
特許証           :特許第4858793号

特徴     :日本には1千万haの針葉樹人工林があるが、災害の起きやすい放置された間伐地や管理放棄された人工林が増加しています。人工衛星や航空機に搭載された高分解能光学データを用いて、小班ごとの森林境界内の樹種別本数を自動算定する技術

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発明の名称        松くい虫の被害区分算定方法及び松くい虫の被害区分算定装置
発明者        :加藤正人、竹中悠輝、トウ ソウキュウ  
特許権者      :国立大学法人信州大学   
出願日        :2016平成28)年317
登録日       :2019(令和1)628
特許証            :特許第6544582

特徴                 :アカマツの健康度合いは樹葉の反射分光スペクトルに違いがあることがわかり、人工衛星や航空機から市町村レベルの広範囲について、高精度に松くい虫の被害区分を行います。健全木、感染木と枯死木の本数を半自動カウントし、被害区分図、被害率、被害材積量を算定します。市町村の求める緊急性の高い松くい虫被害対策に極めて有効な技術開発であると共に、国際的にオリジナルな技術

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発明の名称        森林資源情報算定方法及び森林資源情報算定装置

発明者        :加藤正人、トウ ソウキュウ  
特許権者      :国立大学法人信州大学
 
出願日             :2016(平成28)年11月22日
登録日       :2019(令和1)816
特許証           :特許第6570039
特徴    :
ドローンレーザ及び航空機レーザ計測から、広域森林を対象に、森林の3D化、1本単位での樹木位置、精密樹冠、樹高、胸高直径、樹種、材積を高精度に半自動で算定する方法。森林管理署、県・市町村、森林組合、木材生産業者が求める森林管理と経営に極めて有効な技術開発であると共に、国際的にオリジナルな技術

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発明の名称        森林資源情報算定方法及び 森林資源情報算定装置

発明者            :加藤正人、張桂安
特許権者      :国立大学法人信州大学

出願番号          :特願
2018-076426  PCT国際特許出願 JST支援採択
出願日             2018(平成30)411
特徴                レーザ計測で開発した技術を、現場への普及を行うために、安価な普及型ドローンカメラ(Phantom等)に応用した技術。レーザ計測と同様に、森林調査をせずに普及型ドローンの空撮から、オリジナルな階層別の樹高算定方法をもとに、1本単位での精密な森林資源情報を提供します。
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 発明の名称      間伐木の選定方法及び選定装置 

 発明者           :加藤正人、トウソウキュウ

 特許権者     :国立大学法人信州大学
 出願番号        :特願2018-215554

 出願日           :2018年(平成30)11月16日
特徴             
森林から木材を生産するための間伐木の選木(せんぼく)作業は林業収入に影響する重要な作業であるが、現在まで、熟練者が現地で『何本に1本』を目安に選木を行っています。調査コストが過大なわりに、選木結果は個人差によるバラツキも多く、見落とし、選木の集中など課題が多い。ドローン及びレーザ計測により得られた1本単位での樹木位置、樹高、胸高直径、材積の森林情報を使用して、ディープラーニングのニューラルネットワークを用いて高精度な選木方法と選木プログラムを開発した。机上で任意の間伐率で、森林全域での残存木の適正配置と収穫木の選木ができ、間伐計画を立案できます。プログラムにより、初心者でもGPSと出力図があれば、容易に現地で選木できます。
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 発明の名称  伐採木の確認方法及び確認装置  

発明者     加藤正人、トウソウキュウ

 特許権者     :国立大学法人信州大学

出願番号    :特願2019-001419

 出願日   :2019年1月8日

 特徴        森林管理署、県・市町村、林業事業体は間伐補助事業における伐採木の確認と検査に労力を要しており、生産現場の解決すべき課題です。伐採木の検査業務は秋から厳冬期に実施され、長野県では積雪下で行われることも多く、林業事業体や検査員の双方にとって準備や現地確認、伐採量の資料作成など労力を要しています。伐採前と伐採後の2回、ドローン空撮を行い、画像間の重ね合わせと経時変化の差分処理を行うことで、高精度な伐採木の自動抽出を行い、伐採量を自動算定する技術
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 発明の名称  植栽木自動検出装置、検出方法及びプログラム 

発明者     加藤正人、中川太人、藤平光希、トウ ソウキュウ、竹中悠輝

 特許出願人   :国立大学法人信州大学

出願番号    :特願2021-70641

 出願日   :2021年4月19日

 特徴        伐採地が増え、造林地も増えており、造林検査業務の省力化が期待されています。ドローンの空撮画像からAI(人工知能)の機械学習により、広い造林地から植栽された苗木だけを自動検出し、苗木の位置と高さ、生育状況、周囲の雑草の繁茂状況が把握できます。調査員による現地調査を省くことができる画期的な技術
関連情報:「国内初」ドローンを使用したAIによる苗木の自動抽出 -造林検査業務の省力化
新聞報道:信州大、林業向けシステム開発 AIで省力化実現


 発明の名称  森林資源情報算定装置、算定方法およびプログラム

発明者     加藤正人、トウ ソウキュウ、竹中悠輝

 特許出願人   :国立大学法人信州大学

出願番号    :特願2021-105040

 出願日   :2021年6月24日

 特徴        価値の高い広葉樹の単木レベルでの樹種分類は、家具や工芸など多方面でニーズは高いが、解析技術の難易度は極めて高い。当該発明は、広域の広葉樹林を現地調査をせずにレーザ計測データから、独自のアイデアと分類法から三次元空間上に単木区分と樹形把握する技術です。広葉樹資源の有効活用に貢献できる国際的にオリジナルな技術
関連情報:「国内初」レーザセンシングによる広葉樹の樹種特定技術の開発に成功

新聞報道:ドローンやAI活用した林業新技術 脱3Kに付加価値も信州大チームが開発 


発明の名称:森林被害木自動検出方法およびプログラム
発明者:加藤正人、藤平光希、トウソウキュウ、竹中悠輝
出願人:精密林業計測梶A信州大学
出願番号:特願2022-006647
出願日:2022119
特徴:ドローン空撮のオルソ画像のみから物体検出手法にオリジナル処理を組合わせて森林被害木を自動検出するプログラムを開発した。
関連情報:「国内初」ドローンとAIによるクマ剥ぎ被害木の自動抽出 -被害調査の省力化-
新聞報道:クマによる樹木被害、ドローンとAIで定量化 信州大

問合せ 叶M州TLO 技術移転グループ 篠塚様

〒386-8567上田市常田3-15-1
信州大学繊維学部内R棟4F
Tel: 0268-25-5181