信州大学農学部発 ワイン&ジュース総特集地域コミュニケーション

信州大学農学部発 ワイン&ジュース総特集

信州大学農学部発 ワイン&ジュース総特集

 農学はもとより、食料、環境さらには生命科学まで、「農」を基盤にした幅広い視野の研究が行われる信州大学農学部。キャンパスには、実は直売所があり、栽培実習で収穫された農作物だけでなく、農学部産の多種多様なオリジナルワインやジュースが販売されているのをご存知でしょうか?原料の栽培だけでなく品種の選抜、育成から行ってきたものもあり、「さすが農学部!」というような個性豊かなラインナップ。
 そんな農学部発のワインやジュースの魅力を、開発に携わった人達へのインタビューも交えてご紹介します。

(文・柳澤 愛由)
・・・・・ 信州大学広報誌「信大NOW」第102号(2016.11.30発行)より

30年前、ワイン用ヤマブドウの育種から始まりました

春日 重光

原料の育種・栽培
信州大学学術研究院(農学系)教授
春日 重光

 農学部産ワイン第1弾は「山ぶどうワイン」でした。大学オリジナルの商品を作ろうという、当時(2005年)の学部長の発案がきっかけでしたね。もともと、農場にワイン用ヤマブドウを導入したのは30年程前。当初導入した品種から選抜を繰り返し、安定的な栽培を実現したのが、「山ぶどうワイン」の原料である「五一(ごいち)アムレンシスⅡ系」というヤマブドウです。
 この「五一アムレンシスⅡ系」の存在をきっかけに、遊休農地解消を目指す伊那市と信州大学との共同研究が始まりました。さらに選抜と育成を繰り返し、栽培のしやすさ、味、醸造適性等のバランスを改良した新品種が「信大W-3」(2015年品種登録)です。機能性評価を行ったところ、他の品種に比べポリフェノールの含有量が多いことも分かりました。7年程の歳月がかかりましたが、一般的なワイン用ブドウと比べても遜色ないほど実が大きく、味や収量などのバランスもいい品種に辿り着きました。この「信大W-3」を原料として醸造したのが、伊那市の特産品として2014年から伊那市観光協会(株)で販売しているヤマブドウワイン「山紫(やまむらさき)」。評判もいいようです。

信大W-3

春日教授が育成したヤマブドウ「信大W-3」

 それから、2014年に「りんごワイン」、「ナイアガラワイン」、2016年は発泡性のワイン「アップルシードル」ができました。「山ぶどうワイン」もそうですが、原料は全て、植物資源科学コースの2、3年生が実習の中で、栽培、収穫、選果したものを使っています。
 ただ、私は本来栽培が専門なので、ワインの商品化に関しては農場の若い技術職員らがアイデアを出し合いながら実現してきたものがほとんど。気付いたらこんなに種類が増えていたという感じです。うちの農場の職員、結構「酒好き」が多いんです(笑)

新品種も登場! 農学部の技術を活かしてさらにおもしろい製品づくりを!

篠塚 由紀さん

品種栽培の普及支援
(株)信州TLO
篠塚 由紀さん

 新品種を用いた製品開発のニーズは高いものの、品種改良は時間も手間もかかってしまう。大学ならではの取組体制が求められており、当社は品種の普及支援を担当しています。春日教授が育成したヤマブドウ品種「貴房(きぼう)」の栽培に関し、2015年に上田市と契約して、苗木が今春定植されました。今後は、学部の枠を越えた開発技術も加えることで、さらにおもしろい製品づくりに貢献できればと思います。

“農場の味”を活かすワインを 作るよう心がけています

村田 純さん

ワイン醸造
伊那ワイン工房(有限会社ムラタ)
村田 純さん

 小ロットの委託醸造を基本としたワイナリーなので、素材の味を活かすことを前提に、かつ味の方向性などはお客様と話し合いながら作っています。信州大学からお話が来たときは、「どこにでもあるようなワインじゃおもしろくない」と思い、農学部ならではのメッセージ性と“農場の味”を模索しました。信州大学オリジナルの味を突き詰めるため、試行錯誤で作っています。各年の味の違いも楽しんでもらえたらうれしいですね。

アップルシードルのラベルをデザインしました!

西村 郁美さん

ラベルデザイン
植物資源科学コース2年
西村 郁美さん

Apple Cidre

 リンゴのワインだということがすぐに分かるように、リンゴをスケッチして水彩画風にしました。発泡性のワインなので、背景にプチプチと炭酸の感じを出しました。

神谷 美乃里さん

ラベルデザイン(小瓶)
植物資源科学コース2年
神谷 美乃里さん

Apple Cidre

 私はかわいらしい雰囲気にしようと思い、リンゴのキャラクターが炭酸の中に入っているイラストを描きました。今年は私たちが収穫する番。丁寧な仕事を心がけます!

※リンゴとブドウ(ナイアガラ)は2年生の実習で収穫を行ったものを醸造、次年度に商品化されます。
ラベルは2年生が担当し、毎年デザインを変更するのが恒例となっています。

新酒を毎年楽しみにしています

濱保 理英子さん

「山ぶどうワイン」の“ゆりの木並木”を描いた卒業生
農学研究科2006年卒・長野県農業改良普及センター勤務
濱保 理英子さん

 「山ぶどうワイン」のラベルが公募されたのは、私が大学院2年生のときでした。「信大農学部発」を押し出すため、キャンパスの顔である"ゆりの木並木"の、一番鮮やかでヤマブドウの収穫期でもある秋の風景を水彩で描きました。10点程の中から投票で選んでいただき、本当に嬉しかったです。長く使用していただき、毎年当時の喜びが蘇ります。ありがとうございます。

信州大学農学部発 ワイン&ジュース

山ぶどうワイン「山紫」

山ぶどうワイン「山紫」
信州大学と伊那市との共同研究で開発した新品種「信大W-3」を原料としたヤマブドウワイン。穏やかな酸味と共に、ヤマブドウらしい深い香りとフレッシュな味わいが特徴。新酒は例年6月から販売開始。
※農学部直売所では販売していません。
------------------------------
内容量/720ml:2,500円
醸 造/伊那ワイン工房
販売場所/伊那市内の酒販店 ほか

山ぶどうワイン

山ぶどうワイン
2005年から販売している信州大学が改良を行った農学部産ワイン用ヤマブドウを100%使用したオリジナル赤ワイン。3年生が栽培、収穫を行っています。野性味のあるするどい酸味とヤマブドウの深い香りが特徴。例年、新酒は12月上旬から販売開始。
------------------------------
内容量/720ml:2,200円
内容量/360ml:1,300円
醸 造/伊那ワイン工房
販売場所/農学部直売所
「ゆりの木」

ナイアガラWine

ナイアガラWine
植物資源科学コースの2年生が摘果、剪定、収穫、選果した白ブドウ(ナイアガラ)を使ったやや甘口の白ワイン。ナイアガラらしい爽やかな甘い香りが特徴です。例年新酒は6月頃から販売開始。
※収穫の状況により新酒が醸造されない年もあります。
------------------------------
内容量/720ml:1,500円
醸 造/伊那ワイン工房
販売場所/農学部直売所
「ゆりの木」

りんごワイン

りんごワイン
植物資源科学コースの2年生が摘果、剪定、収穫、選果したリンゴ(フジ)を使った甘口のワイン。リンゴの香りと甘さがありつつ、軽やかでフルーティーな風味も味わえます。例年新酒は6月から販売開始。
※収穫の状況により新酒が醸造されない年もあります。
------------------------------
内容量/720ml:1,500円
醸 造/伊那ワイン工房
販売場所/農学部直売所
「ゆりの木」

Apple Cider Apple Cider

Apple Cider
植物資源科学コースの2年生が摘果、剪定、収穫、選果したリンゴ(フジ)を使った発泡性のやや辛口のシードル。リンゴのフルーティーさもありつつ、食事にも合うすっきりとした味わいです。例年、新酒は6月から販売開始。
※収穫の状況により新酒が醸造されない年もあります。
------------------------------
内容量/750ml: 1,500円
内容量/375ml: 1,000円(右)
醸 造/伊那ワイン工房
販売場所/農学部直売所
「ゆりの木」

山ぶどうジュース

山ぶどうジュース
3年生が管理から栽培、収穫までを行ったワイン用ヤマブドウを100%使用したジュース。毎年販売開始から1~2カ月程で完売してしまう程の人気商品で、ヤマブドウの華やかな香りと甘み、濃厚さが味わえます。例年、6月から販売開始。
------------------------------
内容量/500ml:800円
製 造/信州まし野ワイナリー
販売場所/農学部直売所
「ゆりの木」

※表示価格はすべて税込です。
※取材はH28.9~10月に行ったもので、既に販売を終了している製品もあります。ご了承ください。

ページトップに戻る