信大関連の美味しいお酒大特集 ワインあり、ビールあり、日本酒も! 信州大学が関わったお酒ラインナップ!地域コミュニケーション

 旧来、“信州大学のお酒”関連といえば農学部発のワインやシードルでしたが、このところ工学部発の「信大クリスタル」・「天然色素抽出液」といった特許技術でこれまでになかった新たな日本酒、ビールなどが次々と市場に姿を見せており、これは一度ラインナップをおさらいしておく必要があるな…と特集を組んでみました。

 農学部が開発した夏秋イチゴ「信大BS8-9」や山ぶどうを使って、「信大クリスタル」の浄水装置で生まれたコラボレーションビールなど信州大学ならではの“美味しいお酒の関係”が生まれています。(文・佐々木 政史)

・・・・・ 信州大学広報誌「信大NOW」第143号(2024.1.31発行)より

※お酒は20歳になってから
※表示価格はすべて税込です

信大関連の美味しいお酒応援メッセージ

信州大学農学部ならではのひと手間や新しいことへの挑戦に面白さ

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有限会社ムラタ 伊那ワイン工房
取締役社長 醸造責任者
村田 純 さん

 信州大学農学部の学生が栽培した農産物をワインに加工するお手伝いをしています。学生の教育や地域貢献が主目的である大学の酒づくりですから、一般的なワイナリーでは採算面から二の足を踏んでしまうことにもチャレンジできることに面白さを感じています。

 今回、新発売した「濃厚ナイアガラワイン」で採用している「氷結濃縮法」も、日本では手間などの点から取り組んでいるワイナリーは多くありません。しかし、手間を掛けることで、一般的なワインよりも魅力的なものになりました。原料を栽培した学生の喜びにも繋がっていればいいですね。

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信州大学の山ぶどうワインが出荷を待つところ

もっと果実本来の美味しさや香りを!「氷結濃縮法」に挑戦しました

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信州大学農学部附属アルプス圏
フィールド科学教育研究センター技術職員
東 孝明 さん

 果実本来の美味しさや香りをそのままワインにできないかと考え、「濃厚ナイアガラワイン」の製法に挑戦しました。味わいは「アイスワイン」や「貴腐ワイン」に似た、より付加価値の高い濃厚なワインになりました。

 「アイスワイン」や「貴腐ワイン」のような、糖度が高く果実の美味しさや香りが濃縮されたワインを実現するために採用したのは、「氷結濃縮」という製造方法です。これは、果汁を時間を掛けて冷凍すると果汁エキスと水が分離する性質を利用し、濃縮果汁部分だけを使ってお酒をつくる手法。

 実は既に発売している「りんごワイン」でこの手法を採用しており、とても好評なためナイアガラワインでも採用しました。びっくりするくらい売れ行きがいいんですよ!

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山ぶどうワイン[山紫]/[山紫]プレミアム
「山ぶどうワイン[山紫]」は、信州大学と伊那市が連携して開発した新品種「信大W-3」を原料とした山ぶどうワイン。穏やかな酸味と共に、ヤマブドウらしい深い香りとフレッシュな味わいが特徴。新酒は例年6月から販売開始。また、フレンチオーク樽での貯蔵を含め、14ヶ月間熟成させ、糖度20度以上のヤマブドウのみを使用した「[山紫]プレミアム」も開発しています。例年、12月に発売。
※農学部生産品販売所では販売していません。
内容量/山ぶどうワイン[山紫]
    720ml:2,500円
    375ml:1,600円
    [山紫]プレミアム
    720ml:4,000円
    375ml:2,300円
醸 造/有限会社ムラタ
    伊那ワイン工房
販売場所/伊那市内の酒販店ほか

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山ぶどうワイン
2005年から販売、信州大学が改良を行った農学部産ワイン用ヤマブドウを100%使用したオリジナル赤ワイン。農学生命科学科植物資源科学コースの3年生が栽培、収穫を行っています。野性味のあるするどい酸味とヤマブドウの深い香りが特徴。例年、新酒は12月上旬から販売開始。
内容量/720ml:2,200円 
    360ml:1,300円
醸 造/有限会社ムラタ
    伊那ワイン工房
販売場所/農学部生産品直売所

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ナイアガラWine
農学生命科学科植物資源科学コースの2年生が栽培、収穫、選果した白ブドウ(ナイアガラ)を使ったやや甘口の白ワイン。ナイアガラらしい爽やかな甘い香りが特徴です。例年新酒は6月頃から販売開始。
※収穫の状況により新酒が醸造されない年もあります。
内容量/720ml:1,500円 
醸 造/有限会社ムラタ
    伊那ワイン工房
販売場所/農学部生産品直売所

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濃厚ナイアガラワイン
2023年12月に新発売。
ナイアガラを搾汁したのちマイナス30℃で凍結させ解凍時に水分を除去して糖度が高い状態で醸造したオリジナルな白ワイン。農学生命科学科植物資源科学コース2年生が栽培・収穫を行っています。ナイアガラの味と香りがより一層楽しめるのが特徴。2024年度以降は、6月の販売開始を予定。
内容量/375ml:2,000円
醸 造/有限会社ムラタ
    伊那ワイン工房
販売場所/農学部生産品直売所、信州大学各キャンパスの生協

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濃厚りんごワイン
2020年から販売。りんご(ふじ)を搾汁したのちマイナス30℃で凍結させ解凍時に水分を除去して糖度が高い状態で醸造したオリジナルな白ワイン。
農学生命科学科植物資源科学コース2年生が栽培・収穫を行っています。りんごの甘い風味と香りが楽しめるのが特徴。例年、新酒は6月から販売開始。
内容量/375ml:2,000円 
醸 造/有限会社ムラタ
    伊那ワイン工房
販売場所/農学部生産品直売所

他にはない独特の味、香り、見た目… 海外へも発信できる自信作になりました!

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株式会社協同商事 コエドブルワリー
代表取締役社長
朝霧 重治 さん

 COEDOは元々、70年代から有機農業に取り組んできた協同商事が設立した農業系ブルワリーです。サステナビリティは事業運営上の要素であり、さまざまに取り組んできました。信州大学の技術を活用して開発した「COEDO香琳-Kourin-」は、その最新の取り組みです。

 りんごの天然色素抽出液を原料に使用することで、果物由来の爽やかな酸味とベースのウィートエールが溶け合い、独特の風味に仕上がります。また、天然色素抽出液には抗酸化作用があるとされるポリフェノールを多く含む点も特徴的です。

 国内から販売をスタートしますが、この独自性は海外でもきっと評価を得るでしょう。改良を加えながら継続的に取り組んでいきたいですね。

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りんご天然色素抽出液のビールへの加工の様子

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COEDO香琳-Kourin-
信州大学、株式会社協同商事 コエドブルワリー、長野県飯綱町、ニューホライズンコレクティブ合同会社が、産学官連携で開発したクラフトビール。信州大学工学部天野研究室の酵素処理技術でリンゴの天然色素を効率よく抽出し、ビールに添加していることが特徴。リンゴは受粉用で可食部が少なく活用法が限られるメイポール品種を使用しており、SDGsの観点からも注目を浴びています。2024年1月25日頃出荷開始。
内容量/333ml:438円
醸 造/株式会社協同商事
    コエドブルワリー
販売場所/長野県内の酒販店、飯綱町ふるさと振興公社直売所、自社ECサイトなどを予定

信大クリスタルの水を使うことで“伝統の一歩先”に進めることが出来ました

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株式会社丸世酒造店
蔵元杜氏
関 晋司 さん

 伝統的な製造技術には進化させる余地がほとんど残っていない、でももっと美味しい日本酒を作りたいー。そう考えていた時、出会ったのが信州大学の最新技術「信大クリスタル」でした。この技術を導入してつくった「信大仕込み」はきれいな味わいを実現するとともに、酸化が抑えられて商品の品質安定にもつながっています。

 現在、弊社の日本酒すべてに信大クリスタルで浄水した水を使用していますが、そのうちの「勢正宗」が2023年の「関東信越国税局酒類鑑評会」純米酒の部で、特別賞を受けました。

 新たな挑戦が評価され、嬉しく思っています。

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勢正宗 信大仕込
信州大学先鋭材料研究所および工学部手嶋・是津研究室が開発した高機能結晶「信大クリスタル」で浄水した水を使用した日本酒。ミネラル分はそのままに、味や品質に悪影響を与える金属イオンを取り除くことで、信州の水のポテンシャルを最大限に発揮することに成功しました。例年、新酒は12月から販売開始。
内容量/720ml:3,000円
醸 造/株式会社丸世酒造店
販売場所/信州大学各キャンパスの生協、長野県内の酒販店など

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2023年の「関東信越国税局酒類鑑評会」純米酒の部で特別賞を受けた「勢正宗」

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信大クリスタルが搭載された浄水器

“日本一のりんごの町”へ 信大との連携は重要な要素です

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飯綱町 町長
峯村 勝盛 さん

 飯綱町では50種類以上のりんごを栽培しており、町の特産物であるりんごを用いた機能性加工品開発の研究を行っていたところ、信州大学からりんごの「天然色素抽出液」の製造のお話をいただきました。

 廃棄するりんごの皮や果実を有効活用し、環境にやさしく、効果的にポリフェノールが摂取できるという点で、高付加価値の新たな特産品として製造販売できると確信しました。

 今回のフルーツエール「COEDO香琳-Kourin-」の完成をきっかけに、引き続き、「天然色素抽出液」の製造と高付加価値の商品開発を進めてまいります。

 これからも、信州大学と連携しながら“日本一のりんごの町”を目指していきたいですね。

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りんごの天然色素抽出液の製造風景

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COEDO香琳-Kourin-

“第二の故郷”とも言える伊那で ビールを通じて信大や地域の魅力を伝えたい

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In a daze Brewing合同会社
代 表
冨成 和枝 さん

 農学部で学んだ縁で信州大学と関わりの深いビールづくりをしています。ヤマブドウ「信大-W3」、夏秋イチゴ「信大BS8-9」といった独自品種の農産物を使ったビールは、お客さんからの評価が高い人気の商品。「信大クリスタル」の浄水技術を導入した「Bonding Flux」は伊那谷本来の水の特徴を活かすことにつながっています。実は、一度は地元の愛知に帰り就職しました。でもまた戻ってきたのは、農学部も含めて伊那に強い魅力を感じているからなのでしょうね。第二の故郷とも言えるこの地でこれからもビールづくりを通して農学部や伊那の魅力を伝えていければと思います。

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発酵タンクが並ぶ醸造ルーム

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Bonding Flux
信州大学先鋭材料研究所および工学部手嶋・是津研究室が開発した高機能結晶「信大クリスタル」で浄水した水を使用したクラフトビール。
国産ホップも信州大学農学部卒業生のホップ農家が栽培したものを使用し、原料、浄水技術、醸造者全てが「信大コラボ」な商品です。
通年販売。
内容量/350ml:660円
醸 造/In a daze Brewing合同会社
販売場所/伊那市内の酒販店、ECサイトなど

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伊知古/HAZY DAZE with 山ぶどう/だいじょうぶどうエール
いずれも信州大学農学部で開発した品種の果物を原料に使用したフルーティーな香りと味が特徴のクラフトビール。「伊知古」は、2011年に品種登録された夏秋イチゴ「信大BS8-9」を、「HAZY DAZE with 山ぶどう」と「だいじょうぶどうエール」は、農学部が試験栽培するヤマブドウを原材料に使用しています。「伊知古」は夏から秋にかけて、「HAZY DAZE with 山ぶどう」は10月末から、「だいじょうぶどうエール」は秋冬限定で販売。
内容量/伊知古
    350ml:748円
    HAZY DAZE with 山ぶどう
    500ml:1,210円
    だいじょうぶどうエール
    740ml:3,300円
醸 造/In a daze Brewing 合同会社
販売場所/伊那市内の酒販店、自社ECサイトなど

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