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館長あいさつ

本日の記者会見にお集まり頂き、誠にありがとうございます。

今回、記者発表を行う内容は、信州大学が(株)メディアフュージョンおよび(株)アグレックスと共同開発いたしました「大学の学術情報発信のための最新の総合学術情報システム(SOAR)」を紹介することです。さらに、開発したシステムを国内外に公開し、無償で提供することにより、社会及び学術コミュニティへ貢献したいと考えています。

近年、学術分野の世界では、研究論文等の成果が、冊子本から電子化された「電子ジャーナル」により公表されることが主流となりつつあります。さらに、研究論文が電子化されたことにより、それぞれの科学雑誌や個々の論文が、他の研究者らにより、どの程度引用されたかを数値化したデータ(Impact Factor, Citation Index)が公表され(Web of Science、トムソンサイエンティフィック社)、大学等の研究アクティビティーや個々の論文の「質」が評価されるようになってきています。一方で、各大学では、研究のアクティビティーをアピールしたり、個々の研究者の視認性を高めるための研究活動を紹介する「研究者総覧」や、さらに最近では、研究論文のフルテキストを電子化して掲載する「機関リポジトリ」(研究成果電子書庫)を積極的に設置して公開することが、世界の大学で広まりつつあります。

しかし、これらの学術情報データベースにアクセスする場合、それぞれが別々の「入り口」を持っており、さらに相互にリンクしていない。このため、利用者にとっては、必ずしも利便性の良いものとなっていません。

そこで、信州大学では、利用者がGoogleやYahoo等の検索エンジンから本学の「SOAR」に入っていただければ、研究者の活動(研究者総覧から)、研究論文のフルテキスト(機関リポジトリーから)さらに論文の引用状態(Web of Scienceから)等に関する情報を取得できる、利用者にとって大変利便性の良いシステムを開発しました。

本システムをより多くの大学で取り入れてもらうことで、利用者の利便性のみならず、大学にとっても視認性を高めるという大きなメリットがあります。

今回の記者会見を通して、本システムの有用性を認識いただき、多くの方々に利用されることを期待します。

なお、信州大学は国立情報学研究所の最先端学術情報基盤Cyber Science Infrastructure (「CSI」) の構築事業に参加し、この事業からの資金支援も受けております。国立情報学研究所においてこのような取組みが無ければ、今回の信州大学でのシステム開発も無償提供も無かったと思います。この場を借りて国立情報学研究所の先見性に対して敬意を申し上げると共に謝意を表すものであります。

2007年3月15日
信州大学 附属図書館長
野村 彰夫