信州大学

ActivityActivity

金子特別特任教授のグループが革新的空気分離を発表しました

2018.06.04


記者会見での金子特別特任教授(左)と
Vallejos-Burgos研究員(右)

 環境・エネルギー材料科学研究所の金子克美特別特任教授とFerdinando Vallejos-Burgos研究員のグループが、グラフェン上の"ナノ窓"が酸素、窒素、アルゴンを選択的かつ迅速に分離できることを理論的に証明しました。本研究成果は、イギリスの科学誌「Nature Communications」電子版に2018年5月4日付で掲載されました。

本研究はグラフェンに空いたナノ窓の縁が協奏的に振動し、窓の実際の開口部より大きな分子が透過するというもの。また、自由に可動する窓枠が高い分子透過率と、選択的透過を可能にする要因だと判明した。研究グループは酸素、窒素、アルゴンに対して分子動力学などの手法でグラフェンのナノ窓の上記の特別な作用を解明した。

現在の空気分離は気体を液体にし、蒸留する手法で分離しているため多量のエネルギーが必要である。本研究は省エネルギーで素早く空気を分離する革新的な技術を提案し、また、分離したガスの利用を更に広げることにつながる。

本研究を発表する記者開会を5月15日に行いました。


論文情報
"Air separation with graphene mediated by nanowindow-rim concerted motion"
Fernando Vallejos-Burgos, François-Xavier Coudert & Katsumi Kaneko
Nature Communicationsvolume 9, Article number: 1812 (2018)



信州大学トピックスに掲載された記事


Flapping mechanism in a small nanowindow. © Nature Communications
Recent Entries
Archives