第3回全国博士課程教育リーディングプログ​ラム学生会議 に参加しました

活動報告

2015年6月20日~21日に北海道大学で開催された第3回全国博士課程教育リーディングプログ​ラム学生会議に、本プログラム履修生7名が参加しました。この会議には、27のリーディングプログラムから、また国籍では27カ国から、100名余りが参加しました。日本科学未来館館長の毛利衛氏および世界科学ジャーナリスト連盟相談役のジャン=マルク・フルーリー氏による講演のほか、アイディア創出型ワークショップ、各リーディングプログラムを紹介するポスターセッションが行われました。

ワークショップでは、課題発見と課題解決についてグループに分かれて英語での討論が行われ、本プログラム1年生の張佳平さんは、優れた解決策を示したグループの代表として、参加者全員の前で発表をする快挙を成し遂げました。また、討論会だけではない学生同士の交流が盛んに行われ、横のつながりを持つという意味においても、学生会議の意義を実感できた2日間でした。


参加報告:プログラム1年生 黒澤真美
1. 参加の目的
他大学のリーディングプログラム参加生との交流・意見交換を通して、繊維学部のリーディングプログラム生としての特徴や強みを確認すること。
また自分たちのプログラムに対して先行して運営されている他大学のプログラム生と接することや、化学者・宇宙飛行士・日本科学未来館館長として広い分野で活躍する毛利衛さんの話を聞くことから、今後の活動の中で自身が取得すべき能力などの目標を得ること。

2. 会議に参加した結果得られた課題
3回に分けて開かれたアイデア創出型ワークショップから、現在の自分には物事を多角的に捉える能力が十分でないと感じた。1つの物事に対して一度考えを固めてしまうとその問題に拘ってしまい、他の意見について「自身の考えと沿うか否か」ということを考えてしまい、「自身の感情や是非を問わずに案を挙げる」という活動が十分にできなかった。
普段の生活ではこれほどに大きく異なる価値観や背景を持った人々と共同で作業をするということは少ないため、本会議に参加をしなければ強く上記の課題を実感することはなかっただろうと考える。

3. 会議に参加した結果得られた成果
プログラムへの参加・学習歴のより長い学生らから、自分の考えを筋立てて説明する能力と自分のこれまでに行ってきた活動への自信の重要性を感じた。これらから、今後の活動において新たな目標である「俯瞰的・多角的に物事を見ること」「説明能力を身につけること」「自分に自信をつけること」を得た。
自分に考えがある場合でも適切に他者に説明が出来なくてはないもの同じであり、また、自分に自信がなくては説明の間に内容が迷走してしまいがちになり更に通じ難くなってしまうことから今後の自分に必要な素養であると考えた。
その一方で、オーストリアでの研修時に課題としていた「発言までの抵抗感」については僅かではあるが解消出来た。研究歴が自分より長い学生に囲まれたワークショップの最中でも、(自分の英語力を理由にして)必要以上に萎縮することなく発言が出来たことは大きな進歩であると考える。
また本プログラムが所属する繊維学部は、大きすぎない範囲の中に様々な分野の専門家が在籍している。専門に特化したものだけではなく、本人が望みさえすれば幅広い知識を得ることのできる環境である。現在の社会が抱えている「持続性」という課題について分野に拘泥しない発想こそが解決の鍵である考えると、その発想の基礎を養うため最も適した環境であると言える。
そしてそのような場で学部生の期間も含め5年と少しの期間を過ごしてきたが、振り返ってみれば自然と分野に拘泥しない考えが身につき始めていたと感じる。さらに4月からはプログラムの一貫として、これまで以上に全く異なる分野の講義や講演にも参加することが増えている。このことからグローバルリーダーとして求められている大きな素養の1つである「深く、広い見識」については育成が進んでいる状態であると感じた。

4. 成果を今後の研究にどのように活用するか
規模の大きな問題に限らず、自身の研究を進めていく中で問題に当たった時も必要となるのは、異なる視点を持つことであると考える。今回の参加からその重要性を認識し、そのような視点を持つために必要な深い見識の存在にも気付くことが出来た。
これまで問題に直面した時には問題の見方を意識することがなく、一度考えを進めてそれがうまく運ばなかった際には途方に暮れてしまうことが多かった。
しかし上記に挙げた素養を認識した今後は、何か解決すべき課題に直面した際にも最初に手をかけた1つだけの方法に拘らずに、その次の別な方法について考えを遷らせることができるだろう。
その結果、解決までのより良い方法を発案できることに加え、より短時間で解決ができることから新しい他の課題に取り組むことができるようになると考える。

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