第二回工場研修

活動報告

10月20日、テキスタイル基礎実習の一つ、工場研修を行ないました。前回に続き二回目となる今回は、長野県内で独自のものづくりを展開し、日本の繊維産業を担っている二社、下諏訪町にあるニット製品製造会社、株式会社サトーと、岡谷市にある糸染を行う本多染色工業株式会社を訪問しました。

どちらの会社でも社長自ら学生たちへの説明及び見学案内をしてくださり、長年の経験に裏打ちされた知識を元に、現場でしか得ることのできない生の情報を教えていただきました。

最初に訪れた株式会社サトーでは、ホールガーメント機やミシン、リンキングマシン、スチームボードなどがところ狭しと並ぶ作業場所を、佐藤豊代表取締役社長自ら丁寧に、情熱を持って案内してくださいました。学生たちも熱心に耳を傾け、目から得る情報と共にメモを取りました。

量産性ではなく、デザインの多様性を追求していると、身振り手振りを交えて言葉豊かに気さくに語ってくださった佐藤社長の持つオーラにも学生たちは圧倒されました。また、これまでの会社経営の中で何度となく、会社の存続に関わるような大きなトラブルにぶつかり、それを長年培ってきた内匠の技で乗り切ったことなど、経営者としての苦労にも話が及びました。


続いて本多染色工業株式会社を訪問し、学生たちは、2000坪ほどある広い敷地内を、本多孝史代表取締役社長と共に、染色の工程順を追って見せていただきました。

風合いを大切にする同社の染色技術は、日本のみでなく世界から高い評価を受け、ファッションアパレルニット用毛糸の染色、手芸用糸の染色などを中心に、染色した糸の販売も行っています。日本では、同社にしかないというFadis社のワインダーや、約2億円をかけて導入したという自動倉庫も間近で見せていただきました。本多社長のお話の中で、一番印象的だったのは、「マニュアル化できるものというのは、誰にでもできる簡単なこと。マニュアル化できないもの、人が真似できないもの、他の追随を許さないものにこそ存在価値があり、そこを目指していく」というお言葉でした。マニュアルがないと、どうしていいか分からない若者たちが増えているという話の中で出たお言葉でしたが、染色分野で世界のトップを走っている同社の経営者としての自負と自信に裏打ちされた一言であったと感じました。

どちらの企業も、顧客の細かいニーズに寄りそう製品を作り続けるという点で共通しており、そうした企業を訪問できたことは、学生たちにとって大いなる刺激となったことと思います。

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