信州ブックレットシリーズ003
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5汕頭市(貴嶼村)の現状からみる中国の経済発展と循環型社会構築への課題汕頭市(貴嶼村)の現状からみる中国の経済発展と循環型社会構築への課題        一橋大学名誉教授 早稲田大学大学院政治学研究科客員教授  加藤 哲郎 はじめに ご紹介いただきました加藤と申します。この3月まで一橋大学におりましたけれども,4月から早稲田大学政治学研究科で大学院生だけの教育・研究に携わっております。 今日お話しするテーマは,私にとっては,もともと直接の研究テーマではございません。今までやってきたのは,ドイツを中心にして,ソ連,アメリカ,あるいはメキシコやインドなどいろいろなところを見ながら,国際政治あるいは比較政治を研究しています。 ちょうど3年前になるでしょうか,信州大学は環境省からプロジェクトのお金をもらったようですけれども,洞爺湖サミットがありました。福田康夫首相の時代でしたが,世界中から政治家のトップが集まるというときに,世界の主な大学の学長が集まる世界学長サミットが,G8サミットと並行して,札幌で開かれました。一橋大学学長の杉山武彦さんも招かれ,その際,一橋大学は自然科学のない社会科学プロパーの大学ですが,社会科学の観点から世界の環境問題を考えるという社会貢献の方向を打ち出し,「アジア環境プロジェクト」をたちあげました。経済,商,法,社会の4つの学部から教員が集まり,さしあたりは学長経費で,全学的にアジアの環境問題に取り組むことになりました。本日のテーマにも関係する,経済発展と環境をどう両立させるか,サステイナブル(sustainable)な地球をどうやってつくっていくのかを研究するプロジェクトです。 私も当時執行部で,研究担当補佐をしていた関係で,プロジェクトを統括し推進する役割の一端を引き受けました。私自身は社会学部の政治学からのアプローチですが,今日はそこで実際に担当した,フィールドワークの結果をご報告いたします。

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