信州ブックレットシリーズ003
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18 仕分け済みのごみは,大きな工場のようなところにあって,その内部は見せてくれないんですが,外からデジカメで撮りますと,さまざまな部品を,例えばマウスならマウス,トナーならトナーというように,分類はしているようです。ICチップなどは,土嚢に入れて,大きなトラックで,たいてい広州や深圳に運ばれます。 衝撃を受けたのは,電器コードの処理です。電気アースの銅線などは,赤いビニールで包まれていますね。あの中の銅だけを取るために,皮を剥いでいけばいいのですが,そういう面倒なことはしないで,そのまま路上で焼いている。すごいにおいでした。残った銅は,銅の価格は上がっていますから,多少加工してからでしょうけれども,どこかに流れていく。そういう路上の作業は,だいたい女性と子どもの仕事になっています。  なぜ貴嶼村に世界の電子ゴミが集まるのか 貴嶼の電子ゴミ問題は,どのようにして生まれているのか。これをマクロに見ると,まさにグローバルなNIMBY問題になるわけです。つまり,電子製品は,世界中で工業化,産業化が進んで,便利なものをみんなが求めるようになり,世界中に広く行き渡るようになった。これは,ある意味では近代

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