信州ブックレットシリーズ003
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15汕頭市(貴嶼村)の現状からみる中国の経済発展と循環型社会構築への課題 ところが,私たちが行ったときは,ほとんどお客さんがいませんでした。ここは最終処理されたリサイクル品の市場ですから,中古品を扱うマーケットや,実際のリサイクルの工場は,他の集落にあるわけです。 どういうものが市場にあるかというと,例えばICチップです。ICチップを取り出して,磨いて使えるようになったリサイクル製品だと言うのです。北京大学のそばに中国の秋葉原と言われる,中関村という電子市場がありますが,あそこの価格に比べれば,おそらく半分以下で,ICチップが取り引きされている。しかし,薄暗い店内に客らしき人はあまり見当たらない状態でした。 では,どこで作られたのか。どういう解体工場なのか。上の写真が,典型的な電子ゴミ家内工業の作業場の入り口です。表に原料が積まれていて,うちの中で何かを処理していて,その作業場の写真を撮ろうとすると,がちゃんとドアが閉められる,こういう状態です。しかも,それが汚い家屋の中で,汚い空気と,カーボンなどがそのまま飛び散る環境の中でやられている。この作業場は,川のそばですが,それを洗浄した排水が,そのまま川に流れ込む。 「5,6年前は,燃やしたり化学処理をしていたけれども,今は危険だから,手作業でやっている」と言うのですが,この手作業は,マスクもないし,手ぬぐいもないところでやっているものですから,ますます危険に見えます。 私たちのチームは,これまで現地調査を2回やってきました。私自身は1

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