信州ブックレットシリーズ002
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9企業における「CSRと生物多様性保全」の取組 これは,中国の大同というところでありまして,北京の郊外,最近は高速道路ができて割と早く行けるようになったんですが,北京から3時間程度で移動できるようなところにあります。黄土高原地帯での植林,森林再生のプロジェクトです。これは大阪の緑の地球ネットワークというNPOさんの活動です。ご覧になっていただいたらわかりますように,全く周囲に木がありません。荒れた状態で,谷が深く刻まれている状態です。 しかし,もともと大同というのは,中国古代からの大都市でありまして,北魏の時代,西暦400年前後というところのあたりでは,北魏の都でありまして,人口も100万人程度の大都市だったそうです。写真にございますような木造の大建築がまだ残っている。つまりそのあたりの年代にまでさかのぼりますと,こういう大きな木造建築物をつくれるほど森林資源が豊かであったというふうなことです。秦の始皇帝の時代でありますと,中国全体で森林面積が50%ぐらいあるというふうな資料も残っているようです。 それが,現在,中華人民共和国の時代になっての先ほどの状態,かなり荒れておる。そういうところの現場としまして,緑の地球ネットワークが植林活動を続けておられる。そういう部分を支援しております。 次は,タイのナコンシタマラートです。タイの半島部分をちょっと想像していただいたらいいかと思います。プーケットの近くなんですけれども。ここでエビ養殖池跡へのマングローブの植林ということをされております。エビの養殖と言いますと,1980年代前後から非常に盛んになってきて,タイだけではありません,インドネシアであるとか,ベトナムであるとか,東南アジア地域でかなり広く行われていて,その多くは日本に輸出されておると。我々日本国民としては,その恩恵でエビを安く食べられるというふうな状態が今でも続いているかと思います。

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