信州ブックレットシリーズ002
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12か,生活と切っても切れない面がございます。なかなか日本では考えづらいんですけれども。やはりその地域の住民の生活を向上しないと,生きていくためには自然破壊もされるということで,その実が上がらないということなんですね。 そのために,ここではエコツーリズムということを,海外のNPOの支援で地元住民の方々と進めていったという内容です。牛に引かれた車に乗って,滝のあるところまで30分ぐらいやっていく。その間に,途中でお店屋さんみたいな,ちょっとおやつを買うような,そういう場所も設けたり,外国人がこの公園に入るのに入場料を支払って,それで生計を立てていこうと。そうすることによって,住民がむやみやたらと木を切ったりしないような状態をつくろうというふうな試みです。こういった手法については,世界各地で行われております。 最後の事例ですが,これは石炭の露天掘りの風景です。ボルネオ島といいますか,カリマンタン島の東部のほうなんですけれども,外資系の石炭会社がこの土地を開発しているところなんです。このまさにすぐ隣の部分で野生のオランウータンが住んでいる地域がある。元々こういう地域にもそういう野生の動物が多数生息していたというところなんですけれども。 ここでは,やはりさまざまな開発に伴う規制というのも当然ありまして,石炭の開発が終わりますと,埋め戻してそこに植林をしていきます。実際,地元種を育苗するための研究施設もつくられています。 いくつか事例を紹介させていただいたんですが,我々,協議会の事務局や企業のトップの方々が,実際にどういう形で活動しているかということを広く知り,また現地の方々を励ましていくが非常に重要だと考えています。トップの方が現地を見て,その会社の自然保護活動がますます盛んになったとい

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