信州ブックレットシリーズ6電子書籍版
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 経営学の分野でも、本当に、企業は儲けなければいけないのかとか、顧客の本当の満足とは、単に、顧客の主観的、刹那的な満足度を高めることなのかとか、人間の本性に関わる基本的な問いが解明されていないように思います。こうした問いに対して、場合によっては、ニューロ・エコノミックスのように、脳の各部位の反応を調べるというレベルまで掘り下げながら、持続可能な社会を目指す新しい経営理論を創っていくという作業が、実は、私たちの前途に広がっているのではないかと感じています。これはちょっと、安井先生やノートン先生のご講演に続く内容とは言えないかも知れませんが、私なりに、今、そういう方向で考えていかなければいけないと思っています。 5.新しい経営教育のあり方 そんなこともあって、「グリーンMOT教育プログラム」というのはとても重要なものだと私は考えています。教育プログラムの具体的な内容については、参考資料2として『環境白書 平成22年版』の抜粋を付けておきましたので、後でご覧ください。 それから、もう1つ、今回の私どものこのシンポジウムは、「環境人材育成コンソーシアム(Ecolead)」と共催ですが、環境人材育成コンソーシアムというのは安井先生が代表しておられますけれど、この経営教育の面でも、これまで大きな取り組みの成果を挙げておられます。 Ecoleadでは、冒頭にもご紹介しましたように、GMP(グリーン・マネジメント・プログラム)ガイドラインというものをつくりまして、これに従って、今、信州大学、横浜国立大学、茨城大学、広島大学、北海道大学の5大学の大学院が連携して双方向の遠隔授業に取り組んでいます。この双方向の授業という考え方は、一番最初に申し上げま91

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