信州ブックレットシリーズ6電子書籍版
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図表2 マーケティングの進化マーケティング社会的背景マーケティングの手法販売志向のマーケティング(⇒マーケティング1.0)大量生産・大量消費型経済量産品の販売戦略消費者志向のマーケティング(⇒マーケティング2.0)多品種・少量生産システム、情報技術による顧客管理顧客ニーズに応じた製品差別化価値共創のマーケティング(⇒マーケティング3.0)ソーシャル・メディア、情報技術による企業・消費者の価値共有(製品・サービスだけでなく、企業活動の全容を評価)消費者と企業による社会的価値(持続可能性等)の共創(出典)Kotler, P, and H. Kartajaya, I. Seriawan(2010),Marketing 3.0: From Products to Customers to the Human Spirit, Wiley、に基づいて、筆者作成。⑵ 倫理的消費とは? それでは、消費者側はどうかということなのですが、ノートン先生のお話の中でも、消費者が本当にエシカル(ethical)になれるかどうかということが、1つの議論のポイントだったと思います。 安井先生からもカリフォルニアの企業のお話がありましたけれども、私も、ここで1つだけ、関連する事例を紹介したいと思います。 カリフォルニア州のサンマルコスという所で、約290世帯の住民の方々の協力を得て行われたエネルギー節約の社会実験があります。この実験では、各世帯にエネルギー節約を実行してもらう際、あらかじめ、対象となる住民の方々に、①その地域の各家庭の平均的なエネルギー消費量と、それから、②実験の対象となった各世帯のこれまでの毎月のエネルギー消費量の実績を示すこととしました。これにより、住民は、近隣世帯の平均値と、自分の家の実績を比較して、エネルギー節約を実行することができるわけです。いわば、皆さん、頑張ってくださいというメッセージと目標をあらかじめ知らせておいたと言っても良いかも知れません。87

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