信州ブックレットシリーズ6電子書籍版
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ング3.0」が生まれたというふうに主張しています。ソーシャル・メディアが出てくることによって、消費者とか顧客が、生産者と一体となって新しい価値を生み出すということ、先ほどの「価値共創」が容易に行われる環境が生まれます。また、ソーシャル・メディアが発達すると、製品やサービスを提供する企業自体のミッションとかビジョン、価値が問われることとなって来ます。 これはどういうことかというと、今までは、企業は、製品・サービスの良さを競って来たわけですが、それだけでは消費者が満足しなくなるということを意味しています。日本のものづくりは、これまで、「もの」の品質や性能で勝負して来ました。「もの」がどんなに素晴らしいかということが、企業の評価だった。サービスの分野でも、サービスそのものの質で勝負していたのですが、最近は、ものやサービスを提供する企業自体が問われる世の中になっています。Aという企業はブラック企業じゃないかとか、地球環境問題に関する活動はどんなことをしているかとか、そういうこともインターネット上で、あるいはソーシャル・メディア上で議論されるようになっています。そういう時代には、新しい価値、企業全体の価値を生み出すような、そういう取り組みが必要になっています。 また、消費者は持続可能性に関する活動など、自らの社会的価値観を企業に伝え、これを企業と協働しながら実現することも可能になりました。コトラーは、こうした変化の総体を「マーケティング3.0」と表現しています。ちょっと駆け足になりましたけれども、これが企業側の変化です。86

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