信州ブックレットシリーズ6電子書籍版
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ド)という経営学者がいますが、「価値共創」という概念は、2004年に彼が提案したわけです。その時以来、10年の変化を見ていると、まさに現代は、プラハラードの言う価値共創の時代になっているのではないかという気がしています。個人的には、この価値共創によって問題解決の方向性を見出したいと思っています。 プラハラードは、なぜ「価値共創」ということを言ったかというと、実はインターネットの発達がその大きな要因なんですね。彼の本を読むと、インターネットの発達によって、消費者の役割が変化し、消費者の参加や協働によって、モノやサービスが創られるようになってきているということなんですね。 わかり易い例としては、ネット上での消費者参加型、協働型のソフトの開発などもこれに当たるわけですが、もっと広く、インターネットが生産、流通のプロセスのさまざまな過程において活用され、その結果、消費者あるいは顧客が、ともに価値を創るようになる、それこそが、企業の新しい競争力の源泉だということなんですね。 プラハラードは、最初にご紹介したハート先生と同じミシガン大学の教授だったようです。余談ですが、実は、私も12年ほど前に、信州大学の経営大学院やイノベーション研究・支援センターをスタートさせるに当たり、当時はノースカロライナ大学の教授になっていたハート先生や、ミシガン大学の先生方を訪問して、いろいろアドバイスをもらった記憶があります。プラハラード教授は、ボトム・オブ・ザ・ピラミッドの教祖でもありますので、その価値共創という概念の中には、途上国の方々と価値をつくり出すという概念が入って来たわけです。 プラハラードを1人だけ紹介したのでは、そういう考え方もあるのかなという話になってしまいますので、もう一人、マーケティングの84

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