信州ブックレットシリーズ6電子書籍版
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ぶつかるところでは、地球温暖化問題や、環境汚染が発生する。それから、自然の経済と生存の経済がぶつかり合うところでは、資源や食糧の枯渇が発生するということを、ハート教授は、この論文で指摘しています。図表1をご覧ください。(実は、市場経済と生存の経済と自然の経済の三つの経済が重なり合う所では、「大都市」問題が発生すると、ハート教授は指摘しているのですが、私は敢えてこの部分を全体の概念の中で再考し、「コミュニティの危機」としてあります。) この「生存の経済」という概念を少し考えてみたいと思います。生存の経済というのは、ハート教授によれば、例えば、「ボトム・オブ・ピラミッド」(Bottom of the Pyramid:BOP)や最貧国という言葉がありますが、アフリカの非常に状況の厳しい地域ですね、そういう中で、自給自足的な生活を送っている人々の世界を念頭に置いて「生存図表1 三つの経済(出典)“Beyond Greening:Strategies for a Sustainable World”Stuart L. Hart,Harvard Business Review,January-February 1997 pp.75を基に、樋口が修正・加筆。77

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