信州ブックレットシリーズ6電子書籍版
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能性に関する企業と消費者の役割というようなことを考えてみたい、そして経営教育につないでいくというような流れで話を進めていこうと思います。1.ESD世界会議について まず、「ESD」とは何かということですが、これは、Education for Sustainable Developmentの頭文字をとったもので、日本語に訳せば、持続可能な開発のため教育ということです。 ESDは、実は、日本が2002年のヨハネスブルク・サミット(WSSD:World Summit on Sustainable Development)で提唱し、それがきっかけとなって、2005年から2014年までが、国連の「持続可能な開発のための教育の10年」とされました。2014年、すなわち、一応、昨年で終わってしまったということになってしまうわけですが。 ご存じない方も多いかも知れませんが、参考資料3にもあるように、「国連持続可能な開発のための教育の10年」に関する国内実施計画においては、高等教育機関においてもESDの取組を推進することとされ、私たちの信州大学の経営大学院では、2009年から「グリーンMOT教育プログラム」という新たな教育プログラムをスタートさせました。また、今日のフォーラムを共催しているEcolead(環境人材育成コンソーシアム)においても、このESDという考え方を踏まえて、グリーン・マネジメント・プログラム(GMP)という大学院レベルの環境経営に関する教育プログラムを策定・実施してきました。 このESDではどういうことを目標にしているかということですが、持続可能な開発ということを達成するには、ユネスコも強調しているように、政治的な調整や財政的なインセンティブだけでは不十分であり、人々の思考とか行動様式の根本的な変革をしなければいけないと74

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