信州ブックレットシリーズ6電子書籍版
46/104

言えます。100年程度以内にはあの強さの津波が来ることが分かっていながら、非常用電源が全て海側の防水工事もされていなかった地下に有ったのに、必ず起きる全電源喪失という事態を全く想定していなかった。そこに問題があります。 またあの原発は、GE(ゼネラル・エレクトリック)の設計で建設されましたが、1971年当時、日本はまだ、原子力の技術が十分になく、それで「日本に合わせて設計を変えてほしい」と要望しても全く考慮してもらえなかった、それで建設されてしまったのです。 今、原子力規制委員会がつくっている基準は、そんなにパーフェクトじゃないけど、それでもだいたい起きる確率が100万年に1回を想定しています。だから、安全性が同じだと思うのは違います。 確かに、大規模な原発は、私もやめたほうがいいと言っています。万一のことを考えると、やはり小さな原発のほうがよい。将来的にはたぶん廃棄物処理のための原発が、後処理で、小規模に動いているという状況になると考えています。もちろん、放射性廃棄物の最終処分地のことも考える必要があります。司会:では次の方、どうぞ。会場:信州大学の大学院で学んでいた社会人学生です。地元で卸・小売りの商売をしています。それで個人の配達用に電気自動車を用意しました。お客様には、CO2を出さない、環境に優しい輸送だと言っているのですが、「その電気は、どうやってつくっているだ」と指摘されることがあります。このようなご意見に対していい説明方法があったら教えていただければと思うのですが。安井:現在の電力の排出原単位でも、電気自動車は普通のガソリン車よりはずいぶんとCO2の排出量少ないです。ですから「いやあ、それは、もっといろいろ、ちゃんと調べてくださいよ。今でも、ガソリン車よ43

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です