信州ブックレットシリーズ6電子書籍版
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グリーンの矢印は、今から、あまり排出量を増やさないということにすれば、だいたい2.5度ぐらいの気温の上昇が想定されます。 今、国際社会が一生懸命やろうとしているのが、この2度目標ですね。「2度目標」の意味がどこにあるかと言うと、これの図からは分からないのですが、例えばグリーンランドの氷とか、南極の西の氷床とか、それらが溶けるか溶けないかというポイントが、どうも2.5度を超すか超さないかぐらいのところにあるのではないかという、そういうことになっているのだと思います。 ですから、もしも、2.5度を超していいよということであれば、排出量を抑制しなくてもいいのですが、そうなりますと、いったい何が起きるかということです。その結果として1000年後に海面が10.5メートル上がっていると予測されます。1000年後ですから、そんなことはどうでもいいのではないかという考え方もあるのですけれど、国際社会はそうはも言えないのですね、やはり。 そういうことで、だいたい2度ということになっているのは、そんな理由だとお考えいただければいいと思います。要するに、現世代の責任をどのように考えるか、ちゃんと守るのが国際社会の善意というか、正しい考え方であって、2.5度を超してもいいと言うと、「何言っているだ。1000年後の人類はどうするのだ」という話になります。 実際、1000年後に地球上の人口は何人だろうか。何人いると思いますか、皆さん。たぶん考えたこともないでしょうけれど。意外と減っているのではないかと私は思っているのですけどね。まあ、分かりません。 とにかく1000年後まで、地球上の人類を持続可能にしようというような考え方になっているわけです。この信州大学イノベーション研究・支援センターも持続可能を目指すとすると、やっぱり1000年後を18

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