信州ブックレットシリーズ5電子書籍版
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 その辺がなかなか難しくて,「責任,責任」ということをあまりにも言うあまり,リスクをしっかりみんなが見つめることができなくなってしまっている,そういう側面があるかなと自覚しました。 あと,職場の中でも,同じ仕事をしているスタッフでも,リスクの捉え方がまったく違うので,その辺はそれぞれにバイアスがかかっていて,それでリスクに対して向き合うことができないのかなと思いまして,ミーティングで,それをかみ砕いて,いろいろなことを職場内でもやっていきたいと思うんです。橋本:そうですね。予防接種に関しては,ここでは風疹とインフルエンザの例でした。それぞれ,本来であれば,風疹も,妊婦の場合には深刻な影響を与えますから,それを考えたら,女性に関しては学校にいる間に強制的に接種させるという対策もあり得るのかなと。産まれて間もないころは,今の制度では無料でしたか。会場B:そうですね,はい。橋本:しかし期間限定で,10代になってしまうと,無料ではなくて有料で,自分で医者に行って,打ってもらうという状況ですね。会場B:そうですね。予防接種が云々という話は難しいのですが。橋本:リスクの問題ですか。会場B:リスクの問題です。橋本:確かに副作用のリスクはゼロにはならないですね。仮に100万人に1人といっても,その100万人の1人に自分がなったらどうしようかと思ってしまうわけですね。自分に重ねてしまったら,それは1分の1ですから。あくまで,100万人に1人という人口規模を対象とした話だとそうですが,本人にとっては,副作用の対象になるか,ならないかというような選択で捉えてしまうので,そこは確かに難しいです。 行政についても,今では誰もそう思っていないと思いますが,官73

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