信州ブックレットシリーズ5電子書籍版
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の場合,抜き取りの品質検査だと,検出するべき属性は何ですか。会場A:不良品。橋本:そうです。不良があるか,ないかです。つまり,不良というものを検出したいわけです。 そうすると,(1)の場合,「本来合格になる良品」だから,もともと不良がないのです。にもかかわらず,不合格と判定して,不良があると判断した。検出すべきものがないのに「ある」と判断する誤りですから,これは第1種のエラーです。 (2)の場合は「本来不合格になる不良品」ですから,検出すべき属性がある。「不良」と検出しなければいけない。不良な部分があるにもかかわらず,「ない」と判断して合格にしてしまったので,第2種のエラーです。感覚はつかめましたか。(3) 違法と誤認して行政命令を出したが,実際には適法な行為であった。(4) 不法な行為であるにもかかわらず,適正な規制をするのを怠った。 (3)(4)は行政命令の話です。検出すべき属性は何か分かりますか。検出すべき属性は「違法性」,法に背いているかどうかです。 (3)の場合,「違法と誤認」して行政命令を出したが,実際には適法だったと。これは,違法性がないにもかかわらず,「ある」と判断した。だから,第1種のエラーですね。 (4)の場合,「不法な行為であるにもかかわらず」だから,違法性があるのです。検出すべき属性があるにもかかわらず,「ない」と判断したから,第2種のエラーです。48

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