信州ブックレットシリーズ5電子書籍版
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のリスクはそれぞれ分母と分子が違います。リスクAは,分子に,消防活動・協力による死亡者数。つまり,1991年に日本で,火災現場で消防活動をした,あるいはそれに協力した人で,亡くなった方を分子にして,それを日本の総人口で割ったリスクです。それに100万を掛けて,人口100万人当たりの人数にしてある。100万人当たり0.041人,つまり「1」ではないから,100万人に1人が死んでいるわけではありません。1995年は,死者が増えたので一桁上がってしまいましたが,0.113人です。 リスクBはプロで,消防職員の殉職者です。職業なので殉職ですが,火災現場で消防活動をしている消防士で亡くなられた方を分子にとって,分母は消防職員をとりました。つまり,消防士の仕事をしている方の職業リスクです。それが,1991年は7.40人です。95年は火災死者数が多かったせいもあり,一桁上がって47.61人。 リスクCは,消防活動に協力した一般市民です。ですから,この場合は,消防関係以外の人口を分母にしています。ボランティアで図表10 消防活動の死亡リスク出所)廣野(2013)160-162,194,212頁を参考に筆者作成。リスクAリスクBリスクC1991年0.041 7.400.00821995年0.11347.610.0244注)1.各リスクは100万人当たりの死亡者数。2.各リスクの分子と分母は次の通り。リスクA:(分子)消防活動・協力による死亡者数(分母)日本の総人口リスクB:(分子)火事現場での消防職員の殉職者数(分母)消防職員総数リスクC:(分子)消防協力した一般人の死亡者数(分母)消防関係以外の人口31

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