信州ブックレットシリーズ5電子書籍版
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はじめに 信州大学のイノベーション研究・支援センターと経営大学院は,地域の環境経営人材の育成と環境経営の普及を目的として,2008年度より市民参加型の信州サステイナビリティ・フォーラムを定期的に開催し,2009年度からは信州サステイナビリティ・ウィークとして規模を拡大し,フォーラムを含む各種のイベントを行ってきました。本年度は,2015年2月15日~21日の日程で実施され,期間中には「グリーン経営教育のこれから」をテーマとしたフォーラムの開催とともに,イブニング・カレッジと称した三つの市民公開講座を開講しています。 本ブックレットは,上記の公開講座の一つ「環境リスクのマネジメント」(2月17日,18:30~20:30)の講義内容を収めたものです。ブックレット化にあたり,二時間の枠で語られた講義記録に必要な加筆を施し,適宜,見出しを付けるなど再構成してあります†。講義ではリスク論の要点とリスク対策の勘所を短時間で理解できることを目指しました。小論ではありますが,先行研究の成果に負うところが大きく,至らぬ点はひとえに講義者に帰すべきものです。 リスクのマネジメント研究では,リスク論の知見を組織論に活用する一方で,組織論の文脈からリスク論を捉え直すことが重要であると考えます。両者の緊密な交流からリスク・マネジメントのあるべき姿が明らかになることが期待されますが,私見では,リスク論と組織論をつなぐリンクは,不確実性下の意思決定にあります。 不確実性と向き合う意思決定の問題を鍵とする本講義では,意思本電子ブックの転載、複製、加工を禁じます。† 当日教材として使用したパワーポイント資料のスライドのタイトルを大見出し(ローマ数字)と中見出し(アラビア数字)に使っています。また,新たに小見出しを付けて,利便性を図っています。i

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