信州ブックレットシリーズ5電子書籍版
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に,どのくらいの人口規模で影響を受けるのか,対象となる人口と掛け算した結果で見ないといけない。単にリスクの小ささだけを見ていると,被害の大きさを見誤ることがあります。これも後の事例で見ていきます。リスク管理マトリックス 基本的に,リスクは,発生確率・可能性と,重大性・ハザードの積,少なくとも両方の組み合わせで見る必要があります。確率計算ができない場合には,たとえば,両方とも三段階の高さでざっくりと区分して,それぞれクロスするところで見る。 図表2は,イギリスの航空会社のリスク管理マトリックスです。Aのセルは,起きる確率が高く,起きた後の影響も深刻であることを意味しています。Aは重大なリスクなので,ここには多くの資源を配分してコントロールしなければいけないと言えます。次がBで,重大性は同じく高いけれども,確率が下がる。あるい図表2 英国航空のリスク管理マトリックス出所)リーズン(1999)287頁を参考に筆者作成。高C(中)B(高)A(重大)中D(低)C(中)B(高)低E(最小)D(低)C(中)低中高  可能性(生起確率)重大性(ハザード)6

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