デンマーク工科大学・室内環境・エネルギー国際研究センターの Bekӧ Gabriel准教授をお招きして、信州大学繊維学部(上田キャンパス)にてセミナーが開催されました。 室内環境下での、皮膚を通じての汚染物質の摂取に関してのセミナーです。 最初に背景として、SVOCやニコチンの人体に対する影響、生体濃縮により経口により多くのプラスティック類を無意識に摂取していること、フタロ酸類が環境ホルモンとして作用することが報告されました。完全に食べ物をコントロールし、また、頭部へフードによる汚染質を含まない空気を供給した時、及び頭部のフードをなくした時の比較から、皮膚を通じての呼吸によるフタロ酸、ニコチンの吸引が、呼吸を通じてのそれと比する大きさであることが示されました。 また、ナフタレンなどの防虫剤を設置したタンス内や、たばこを吸う部屋の内にかけた衣服は大きな人体への汚染源となり得ることについても示されました。 セミナー後、身体への皮膚を通じての吸着が、どういうプロセスで起こっているかなど、活発な議論が交わせれました。 セミナータイトル:Uptake of chemicals through skin from indoor air -Pathways and health effects-


【略歴】 Bekӧ Gabriel准教授のご専門は、室内環境工学、空気の浄化、室内における化学物質の挙動、 公衆衛生、暴露影響、換気と空気調和、建築設備です。執筆されたSI付きの論文は既に35本、 2014年にISIAQ(室内空気質と気候の国際学会)のYaglou賞ほか5つの賞を受賞し、国際学会Indoor Air 2016での 招待講演など19もの招待講演を行っている、室内空気質研究の将来を背負うであろう気鋭の研究者です。

セミナーの様子

聴講者の質問に答えるBekӧ Gabriel准教授